フィンランド語の学習をほそぼそと続けていますが、ごく基礎的なことが時々わからなくなります。例えば一番ベーシックな“主語+動詞”の文章で、主語が複数形なら動詞も複数形にするのですが、Duolingoで練習していると、こんな文章がバツになるのです。
* Kaksi kaunista koiraa rakastavat meitä.
二匹の美しい犬たちは私たちを愛しています。
(*は間違った文であることを示します)
“kaksi kaunista koiraa”が複数形だから、動詞も三人称複数形にしたのに、間違っていると。Duolingoが示す正解はこちらです。
Kaksi kaunista koiraa rakastaa meitä.
動詞が三人称単数形になっています。この点について同じように疑問に思ったフィンランド語の非母語話者は多いようで、Duolingoのコメント欄にこんなのがありました。
It’s in 3rd person singular because of the numeral.
三人称単数なのは数字があるからです。
そして……
Koirat juoksevat.
犬たちは走ります。(主語=複数形/動詞=三人称複数形)
Kaksi koiraa juoksee.
二匹の犬たちは走ります。(主語=数字のついた複数形/動詞=三人称単数形)
という例をあげていました。なるほど。でも、こちらの場合はどうなるんでしょう。
Nämä kaksi koiraa juoksevat.
これらの二匹の犬たちは走ります。(主語=代名詞と数字のついた複数形/動詞=三人称複数形)
数字がついているけれど、動詞は三人称単数形になっていません。う〜ん、よくわからなくなりました。それで、フィンランド語の授業で先生に聞いてみました。先生によると「主語が主格の単語以外のとき、動詞は三人称単数になる」とのことでした。
Koirat juoksevat.
犬たちは走ります。(主語=複数主格/動詞=三人称複数形)
Kaksi koiraa juoksee.
二匹の犬たちは走ります。(主語=分格/動詞=三人称単数形)
Nämä kaksi koiraa juoksevat.
これらの二匹の犬たちは走ります。(主語=複数主格の代名詞 nämä /動詞=三人称複数形)
なるほど、“Kaksi koiraa juoksee.”は主語が主格じゃないから動詞は三人称単数形になるのだと。だから“Kaksi kaunista koiraa rakastaa meitä.”も主語が主格じゃないので動詞は三人称単数の“rakastaa”になっているんですね。
そういえば所有文の“Minulla on 〜”も主語(minulla)が所格ですし、「〜しなければならない」の“Minun taytyy 〜”も主語(minun)が属格です。だから動詞はいずれも三人称単数の“on”と“taytyy”になっているんですね。
すっきりしました。
Kaksi pojat vastaa kysymyksiin.