インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

私もテレワークに向いていませんでした

「朝起きて着替え、玄関を開けて外に出ることがこれほど大事だとは思わなかった」。会社員兼ライターである伊藤聡氏の「note」記事を読んで、共感することしきりでした。

note.com

私の職場も、昨年最初に緊急事態宣言が出た頃には一律に在宅勤務を命じられていましたが、明らかに体調が悪くなるのを感じていました。ジムに行って体を動かすこともできないので、近くの公園まで走って行ってできるだけ運動していましたが、あの日々は肉体的にも精神的にも辛かった。今に至ってからなら何とでも言えるので卑怯ではありますが、伊藤氏のおっしゃるように「もう少し他にやりようがあったのではないか」と思います。政府も、そして私たちも。

ずっと以前に翻訳者や通訳者としてフリーランスで働いていた時期がありました。通訳者はまだ外に出かけていくからいいですが(それもコロナ禍でどんどん在宅・オンラインに移行しているようですが)、翻訳者は、自宅とは別に仕事場を持っておられる大家はともかく、私のような駆け出しはもちろん自宅で黙々と作業をすることになります。

当時は若さに任せてたくさん仕事を受けていましたが、その仕事のやり方は今から考えるとたぶんに不健康なものでした。朝起きたら、パジャマのまま机のパソコンに向かって翻訳を始め、食事もその机でとり、気がついたら外が暗くなるまでずっとパジャマのまま仕事をしていた……なんてこともありました。これではいけない、自宅にいてもきちんと着替えて、on/off をはっきりと切り替えなければならないと気づいたのは、ずいぶんあとになってからでした。

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https://www.irasutoya.com/2020/05/blog-post_881.html

いまの職場は学校で、たとえば先日の学年度が切り替かわる期間は「春休み」で授業がないので、ほとんどの教師は自宅で作業をしていました。学校側からもできるだけ在宅勤務するよう要請がありました。でも私はこの春休みもほとんど毎日出勤して、誰もいない教員室でひとり仕事をしていました。

毎朝職場近くにあるジムに行くので、それを欠かしたくなかったというのもあります。でも、やはり一番大きな理由は自宅にいると仕事にならないからです。伊藤氏もおっしゃるように、早朝いつもの時間に起きて、お弁当を作り、朝食を食べて着替えて、電車に乗って出勤し、定時まで仕事をするというルーティンの繰り返しが、どれほど健康的か。もちろん職場には誰もいないので会話もできませんが、それでも自宅にいて、あれこれの誘惑がある中で仕事をするのとはまったく違います。

社畜体質? 確かにそうかも知れません。でもそれは、フリーランスで働いていた頃から気づいていました。私のような人間は、腕一本で、業界の波をものともせず、たくましく駆け抜けていく……というような仕事のしかたが苦手なのだなと。