インタプリタかなくぎ流

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フィンランド語 33 …過去形

動詞の過去形を学びました。最初に先生から、「泣きたくなるくらい」複雑だけど素直に学んでいけばきちんと理解できますとの「ご託宣」がありました。萌え、いえ、燃えますね。

まず、過去形の大きな特徴として……

kpt の変化(子音交替)がある。
②目印は主に「i」だが、一部に「si」もある。

……とのことでした。で、まず少数派の「si」から。

「si」がつく過去形

1.AtA、otA、utA タイプ

●「tykätä(好む)」を過去形にしてみる。
①最後の「tä」を取って「si」に。
kpt の逆転が起こるので「k→kk」。
③したがって語幹は「tykkäsi」。

tykkäsin tykkäsimme
tykkäsit tykkäsitte
tykkäsi tykkäsivät

要するに「AtA、otA、utA」が「Asi、osi、usi」になるということですね。また過去形の三人称単数はすべて語幹のままだそうです。

●「kerrata(繰り返す/復習する)」を過去形にしてみる。
①最後の「ta」を取って「si」に。
kpt の逆転が起こるので「rr→rt」。
③したがって語幹は「kertasi」。

kertasin kertasimme
kertasit kertasitte
kertasi kertasivät


2.tAAタイプ(子母母 tAA タイプ)

子音、母音、母音ときて「tAA」がついている動詞の場合です。

●「tietää(知る)」を過去形にしてみる。
①最後の「tää」を取って「si」に。
kpt の変化はなし。
③したがって語幹は「tiesi」。

tiesin tiesimme
tiesit tiesitte
tiesi tiesivät

●「löytää(見つける)」を過去形にしてみる。
①最後の「tää」を取って「si」に。
kpt の変化はなし。
③したがって語幹は「löysi」。

löysin löysimme
löysit löysitte
löysi löysivät


3.itAA、rtAA タイプ

●「uskaltaa(〜する勇気がある)」を過去形にしてみる。
①最後の「taa」を取って「si」に。
kpt はあるけれども「st」なので変化はなし。
③したがって語幹は「uskalsi」。

uskalsin uskalsimme
uskalsit uskalsitte
uskalsi uskalsivat

●「ymmärtää(理解する)」を過去形にしてみる。
①最後の「tää」を取って「si」に。
kpt の変化はなし。
③したがって語幹は「ymmärsi」。

ymmärsin ymmärsimme
ymmärsit ymmärsitte
ymmärsi ymmärsivät


4.ntAA タイプ

これは「a + ntaa」の場合「i」がつき、「それ以外+ntAA」の場合は「si」がつきます。まず「si」の場合から。

●「lentää(飛ぶ)」を過去形にしてみる。
①最後の「tää」を取って「si」に。
kpt の変化はなし。
③したがって語幹は「lensi」。

lensin lensimme
lensit lensitte
lensi lensivät

●「työntää(押す)」を過去形にしてみる。
①最後の「tää」を取って「si」に。
kpt の変化はなし。
③したがって語幹は「työnsi」。

työnsin työnsimme
työnsit työnsitte
työnsi työnsivät

「a + ntaa」の場合は……

●「kantaa(持つ・運ぶ)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「kanta」に。
②「i」をつけて「kantai」だけれども二音節で最初の母音が「o / u」以外なので「ai→oi」。
kpt の変化が起こるので「nt→nn」。
④したがって語幹は「kannoi」。

kannoin kannoimme
kannoit kannoitte
kantoi kantoivät

★例外

●「tuntea(知る)」を過去形にしてみる。
①最後の「tea」を取って「si」に。
kpt の変化はなし。
③したがって語幹は「tunsi」。

tunsin tunsimme
tunsit tunsitte
tunsi tunsivat

「i」がつく過去形

1.o、u、ö、y + i タイプ

語幹を作るときの法則に従って「i」をつけたときに「oi、ui、öi、yi」となるタイプで、これはこのまま変化しません。

●「puhua(話す)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「puhu」に。
②「i」をつけて「puhui」。
kpt の変化はなし。
④したがって語幹はそのまま「puhui」。

puhuin puhuimme
puhuit puhuitte
puhui puhuivat

●「nukkua(眠る)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「nukku」に。
②「i」をつけて「nukkui」。
kpt の変化が起こるので「kk→k」。
④したがって語幹は「nukui」。

nukuin nukuimme
nukuit nukuitte
nukkui nukkuivat

※ vA タイプの場合、三人称は kpt の変化なし。


2.e、ä、i + i タイプ

語幹を作るときの法則に従って「i」をつけたときに「ei、äi、ii」となるタイプで、この場合「e、ä、i」が消えます。

●「lukea(読む)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「luke」に。
②「i」をつけて「lukei」だけれども「e」が消えて「luki」。
kpt の変化が起こるので「k→×」。
④したがって語幹は「lui」。

luin luimme
luit luitte
luki lukivat

※ vA タイプの場合、三人称単数は kpt の変化なし。

●「pitää(〜が好きだ)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「ä」を取って「pitä」に。
②「i」をつけて「pitäi」だけれども「ä」が消えて「piti」。
kpt の変化が起こるので「t→d」。
④したがって語幹は「pidi」。

pidin pidimme
pidit piditte
piti pitivät

※ vA タイプの場合、三人称単数は kpt の変化なし。

●「oppia(学ぶ)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「oppi」に。
②「i」をつけて「oppii」だけれども「i」が消えて「oppi」。
kpt の変化が起こるので「pp→p」。
④したがって語幹は「opi」。

opin opimme
opit opitte
oppi oppivat

※ vA タイプの場合、三人称単数は kpt の変化なし。

●「ajatella(考える)」を過去形にしてみる。
① stA, lA, nA, rA タイプなので、最後の「la」を取って「ajatel」にし、さらに「e」をつけて「ajatele」に。
②「i」をつけて「ajatelei」だけれども「e」が消えて「ajateli」。
kpt の変化が起こるので「t→tt」。
④したがって語幹は「ajatteli」。

ajattelin ajattelimme
ajattelit ajattelitte
ajatteli ajattelivat

※ stA, lA, nA, rA タイプの場合、三人称も kpt の変化が起こり、なおかつ過去形なので語尾をのばさない。


3.aa、uo、yö、ie + i タイプ

語幹を作るときの法則に従って「i」をつけたときに「aai、uoi、yöi、iei」など「二重母音+ i」となるタイプで、この場合前にある「a、u、y、i」が消えます。ただし二重母音の後ろが「i」の場合だけは、後ろにある「i」が消えます。

●「saada(もらう/〜してもよい)」を過去形にしてみる。
① dA タイプなので、最後の「da」を取って「saa」に。
②「i」をつけて「saai」だけれども「a」が消えて「sai」。
kpt の変化はなし。
④したがって語幹は「sai」。

sain saimme
sait saitte
sai saivat

●「juoda(飲む)」を過去形にしてみる。
① dA タイプなので、最後の「da」を取って「juo」に。
②「i」をつけて「juoi」だけれども「u」が消えて「joi」。
kpt の変化はなし。
④したがって語幹は「joi」。

join joimme
joit joitte
joi joivat

●「syöda(食べる)」を過去形にしてみる。
① dA タイプなので、最後の「da」を取って「syö」に。
②「i」をつけて「syöi」だけれども「y」が消えて「söi」。
kpt の変化はなし。
④したがって語幹は「söi」。

söin söimme
söit söitte
söi söivät

●「voida(できる)」を過去形にしてみる。
① dA タイプなので、最後の「da」を取って「voi」に。
②「i」をつけて「voii」だけれども、後ろの「i」が消えて結局「voi」。
kpt の変化はなし。
④したがって語幹は「voi」。

voin voimme
voit voitte
voi voivat

●「viedä(持って行く/連れて行く)」を過去形にしてみる。
① dA タイプなので、最後の「dä」を取って「vie」に。
②「i」をつけて「viei」だけれども、後ろの「i」が消えて結局「vie」。
kpt の変化はなし。
④したがって語幹は「vie」。

vien viemme
viet viette
vie vievät

この後ろの「i」が消えるタイプは、現在形と過去形が全く同じ形になるんですね。


★例外

●「käydä(訪れる)」を過去形にしてみる。
① dA タイプなので、最後の「dä」を取って「käy」に。
②「i」をつけて「käyi」だけれども、これだけは例外で語幹が「kävi」に。

kävin kävimme
kävit kävitte
kävi kävivät


4.a + i タイプ

語幹を作るときの法則に従って「i」をつけたときに「ai」となるタイプで、動詞の中ではこれが一番多そうです。このタイプは作り方がふたつに分かれます。まず三音節以上の単語と、二音節で単語の最初が「o」か「u」の場合、「ai」の「a」が消えます。それ以外の場合は、「ai」が「oi」になります。

音節の切れ方には法則があって、それは「子音+母音」と並んでいる音の前で切れるというもの。例えば「matkustaa」だったら「mat / kus / taa」と切れます。「ku」と「ta」はいずれも「子音+母音」の並びになっています。

●「matkustaa(取る/もらう)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「matkusta」に。
②「i」をつけて「matkustai」だけれども、三音節の単語なので「ai」の「a」が消えて「matkusti」。
kpt はあるけれども「st」なので変化はなし。
④したがって語幹は「matkusti」。

matkustin matkustimme
matkustit matkustitte
matkusti matkustivat

●「ottaa(取る/もらう)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「otta」に。
②「i」をつけて「ottai」だけれども、二音節で単語の最初が「o」なので「a」が消えて「otti」。
kpt の変化が起こるので「tt→t」。
④したがって語幹は「oti」。

otin otimme
otit otitte
otti ottivat

※ vA タイプの場合、三人称は kpt の変化なし。

●「antaa(与える)」を過去形にしてみる。
① vA タイプなので、最後の「a」を取って「anta」に。
②「i」をつけて「antai」だけれども、動詞の最初が「a」なので「a」が「o」になって「antoi」。
kpt の変化が起こるので「nt→nn」。
④したがって語幹は「annoi」。

annoin annoimme
annoit annoitte
antoi antoivat

※ vA タイプの場合、三人称は kpt の変化なし。



……いや、これは大変です。先生によると、この過去形がフィンランド語最大の山場だそう。頑張ります。

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Minä opiskelin suomea eilen.