インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

なぜ運動選手がジムに通うのか

仕事でいくつかの場所に出向いたり、何かの集まりに参加したりする際、そこで会う方が同年代であった場合に必ずといっていいほど健康や体調の話になる——いやはや、情けないというか、イヤなお年頃になったものです。

でもまあこれは仕方がありません。この年代になっても若い頃と変わらず元気で「イケイケどんどん」という奇特な方はさておき、若い頃にはあり得なかった身体の不調や、わけの分からない「不定愁訴」に悩まされている人にとってみれば、つい誰かに話して話題を共有し、自らをなぐさめると同時に「みんな同じなんだ」という一種の安心感を得たくなるのは人情というものでしょう。

だいたいこの問題は、一人で悶々していても埒があきません。不調に苛まされて、パソコンで「身体の不調」や「不定愁訴」や「更年期障害」や、そうした症状を改善するための生活習慣などの検索を続けていると、Google AdSenseにめざとく察知され、ブラウザ上に何やら怪しげな「回春系」サプリメントの広告が頻出するようになります。だったら同じ悩みを持つ同世代の方々とたくさん話して、できることから変えていく方がよほど心身ともに「健康的」であるような気がします。

私の場合は「事ここに至っては、食事やサプリメントや、整体やマッサージやカイロプラクティックなどの『受け身』な方法に身を預けるだけでは改善しない」ことを悟って、自ら身体を動かすに如くは無し、という結論に達しました。以来、週に二回から三回のジム通いと平日の節酒を続けていまに至ります。効果はてきめん! と胸を張りたいところですが、不定愁訴から完全に脱却できたわけではありません。それでもほとんど何も対策を講じていなかった一年半ほど前に比べたら、ずいぶん元気になったと思います。

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昨日はジムでトレーニングしながら、メニューのインターバル(小休止)に周りでトレーニングされているプロやセミプロや大学生のアスリートを眺めていて、ある疑問が浮かびました。

なぜ運動選手がジムに通うのか。

バカな質問だと思われますか。その道のプロなんだから、いわば仕事の道具とも言える自らの身体を調整するためにジムに通うのではないかと。でも、アスリートは普段その仕事でじゅうぶんに身体を動かしていますよね。なのに、この上さらにジムで身体をいじめるのはなぜなのか、興味深いなと。

それはもちろん「故障」を防ぐためであり、より高い身体的スキルを発揮できるようになるためなんですが、普段お仕事として身体を動かし続けているアスリートでさえ、こうして仕事以外の時間にもトレーニングや調整を欠かさないというのは、なんだかとても示唆的だなと思いました。ならば、普段運動から遠ざかっているオフィスワーカーはなおさら運動しなきゃまずいのではないかと思ったのです。

もっとも、これは私が子供の頃からの大の運動嫌いだったからこの歳になって初めてそう気づいただけのことで、一般のオフィスワーカーはとっくに運動を生活の一部に取り入れて、せっせと身体を動かしているんですけどね。ジムのトレーナーさんには「オフィスでのデスクワークは、ある意味身体に悪いことをし続けているようなものですから」と言われました。いやホント、その通りだと思います。

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