むかしもいまも、スーパーマーケットが大好きです。あの見渡す限り野菜や肉や魚や食料品などが並んでいる光景を見ると、アドレナリンが分泌されるのが分かります。書店の大きな本棚を目の前にした時の興奮と通じるものがあります。特に買いたいとか、食べたいというのとはちょっと違って、同じカテゴリーの食品なり書籍なりがモザイク状に並んでいるのになにかこう「美」を感じるのです。
劉勃麟(リウ・ボーリン)という中国の芸術家がいます。この人は「看不見的人(見えない人)」という、自らにペイントを施して風景の中に自分を溶け込ませるようにした一連の作品で知られています。その彼が執拗に(?)スーパーマーケットの棚のまで作品を作っているのを見て、ああ、この方がこの光景に惹かれるの分かるわ〜、と勝手に共感しています。ちなみに、書店の雑誌の前などでも同じような作品を作っています。
劉勃麟 - 維基百科,自由的百科全書
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もうひとり、Wayne Thiebaud(ウェイン・ティーボー)というアメリカの芸術家がいます。この人も食品が陳列された光景をなかば偏執狂的に繰り返し描く作品群が有名で、特にアイスクリームやケーキなど甘いものが並んでいるのがお好きみたいです。その画面はやや狂気を感じなくもないのですが、なぜか心惹かれてしまうのです。
Wayne Thiebaud - Wikipedia
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というわけで、旅に出るとその土地のスーパーマーケットを見て回るのが楽しみのひとつです。ストックホルムでもいくつか行きましたが、いちばん心ときめいたのはこのCOOPというチェーン店でした。この街に暮らして、このスーパーで買い物をしたら、どんな夕飯を作るかななどと考えながら見て回るのが楽しいのです。
ガムラスタン駅の地下改札前にあるこちらの小さなスーパーも、なかなか見ごたえがありました。北欧らしく、キャンドル売り場が充実しているのも面白いです。
ウェイン・ティーボーの気持ちになって、カフェのショーケースも。店員さんの視線が冷ややかなので、少なめです。
あんた何やってるの、と犬にも冷ややかな視線を送られました。カフェも犬同伴でオーケーなんですね。地下鉄や電車でも当たり前に乗っていました。
おまけに、ストックホルム近代美術館の「ロシア・アヴァンギャルド」のポスターコレクション。こういう展示方法もスーパーマーケットの棚に通じるものがあって、萌えます。