インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

あの薄いビニール袋との戦いはまだまだ続く

先日、渋谷のTHE BODY SHOPでローションを買ったら、「中身が漏れ出す心配はございませんので、このままお持ちください」と商品をそのまま手渡されました。簡潔でいいなと思いました。以前にも同じお店で同じ商品を買ったことがあるのですが、その時は薄い透明なビニール袋に入れてくれました。あれから無駄な包装を省くべく検討されたのでしょうね。

Patagoniaでダウンジャケットを買ったときも、丁寧な口調で「このままのお渡しになりますが、よろしいですか」と聞かれ、くるくるっと丸めたダウンを小脇に抱えて店をあとにしました。日本の、プラスチック・マトリョーシカとも揶揄される過剰包装に疑問を持ち、企業としてこうした勇気ある行動に出ようというの(残念ながら、日本ではまだまだ勇気ある行動の範疇に入るでしょう)、私は心から支持したいと思います。

ローションやダウンジャケットと同列には語れないかもしれませんが、ひるがえって相変わらずだなあと思うのは、毎度私があの薄いビニールとの戦いを続けているスーパーマーケットです。スーパーにマイバッグを持っていくのはまあ当然なんですけど、ありとあらゆる冷蔵品を薄いビニール袋に入れてくださろうとするレジ係の方に「それはけっこうです」と伝えるタイミングがとても難しく、「戦績」は五分五分といったところ。ほんのちょっと油断するだけで(財布からカードを出している隙など)、肉も豆腐もチーズもバラ売りの野菜も片っ端から「アレ」に入れられてしまいます。

レジであらかじめ「ビニールはいりません」と言っておくという手もあるのですが、レジ手前に置いてあって1枚3円だか5円だかで売られているあの白いビニール袋のことだとレジ係の方に勘違いされることが多いです。レジ係の方からは「ビニールいらないんだったら取らなきゃいいんだから、いちいち言わなくても」という冷たい視線を浴びることになります(きっと考えすぎでしょうけど)が、私が「いりません」と言っているのは、「水物袋(みずものぶくろ)」と呼ばれるあの薄いビニール袋なのです。

先日も肉や野菜や豆腐などを買って、レジ係の方が次々にPOSで読み取っているなか、肉のパックに手がかかり、同時に水物袋にも手がかかった瞬間を見定めて「あっ、そのビニールはいらないです」と言ったら、ものすごく怪訝な顔で「肉ですけど、いいんですか」と返されました。「いいんです」と言いましたが、レジ係の方はとても不満そうでした。まるで「私のこの流れるような水物袋さばきを邪魔するなんて」と抗議したがっているようにも見えました(これもきっと考えすぎでしょうけど)。

かつてスーパーには、買い物籠に放り込んでおける「レジ袋いりませんカード」がありましたが、最近はほぼ有料化されたためか少なくなりました。いっぽうで一部のスーパーには「水物袋いりませんカード」を置いているところもあります。企業によっては少しずつ意識が変わってきているようですが、そもそも水物袋をほとんどの冷蔵品に使うという発想から改めて行ってほしいと思います。

レジ係の方に怪訝な顔をされたくだんのスーパーには、レジを抜けて商品をレジ袋やマイバッグに詰め替えるカウンターの上にこんなディスプレイがありました。

このスーパーではもっかSDGs、とりわけフードロスの問題にとても関心を寄せておられるようですが、ぜひあの過剰な薄いビニール袋ーー水物袋の問題にも取り組んでほしいです。……しかし、そのすぐ下にはロール状の水物袋が取り放題になっていて、「いーとーまきまき」よろしくごっそり持っていこうとするオジサンやオバサンを強く引きつけてやまないのです。嗚呼哀哉。