インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

「外食の味が濃すぎてつらい」のその後

以前「外食の味が濃すぎてつらい」と独りごちたことがあるんですけど、最近はますますその傾向に拍車がかかってきてしまいました。特に東京は、どこで何を食べてもほとんどの場合味が濃すぎるというか塩辛すぎてつらいのです。いえ、これはお店のせいではなくて私個人のせいです。歳を取って、味の濃いもの、塩辛いものが本当に苦手になりました。血圧が高めだから塩分を控えなきゃ……という心理的なものも後押ししているのかもしれません。

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そこへいくと台湾は、もちろん例外もあるものの、どこで何を食べても東京に比べて格段に薄味で「ほっ」とします。特にここのところ毎年訪れている離島の澎湖諸島は、薄味の台湾料理の中でもさらに薄味で、本当においしいです。ここまで来るともう台湾料理とか、ましてや中華料理というカテゴリーとはまったく違う料理のような気がするほどです。

今回も、その薄味かつ奥深い味でうなったのが、毎回訪れている「福台排骨麵」の排骨混沌意麵。スペアリブとワンタンが入った麺ですが、こってり・ぎっとりの代名詞みたいなスペアリブがこの上なく上品で薄味です。あっさりしているのは、たぶん蒸しているからなんでしょうね。お店ではでっかい蒸籠から常に蒸気が上がっていて、その中にアルミの筒がたくさん並んでおり、そこに一人分ずつ衣をつけて揚げたとおぼしきぶつ切りのスペアリブと、なぜか大根がひとかけら。ここでホロホロになるまで蒸されたスペアリブと「ひだひだ」の多いワンタンが、麺の上に乗っかっているわけです。

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これがもう、見た目からはまったく想像できないほどのあっさり味・薄味で、何度食べても飽きません。お店の中は至って庶民的で雑然としていて、目の前でおかみさんがワンタンを包んでいるようなシチュエーションなんですけど、そういうのもまたこの飾らない味に一役買っているような。

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私がその「薄味+しかしながら奥深い味」に感動して、おかみさんに「本当においしいです。こんな麺料理、東京じゃ味わえません」と言ったら、「うちは麺も具もすべて自家製の手作りなのよ」と胸を張っていました。ワンタン作りを観察していたんですけど、普通よりかなり大きめの皮に薄くのばすように餡を塗って、ぺたんと折ったらそのままぐーっと指の跡がつくぐらい握り込んでいました。なるほど、そうやってできる「ひだひだ」にスープが絡んでまたおいしくなるわけですね。

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こういうのが東京でも食べられたらいいなあ。東京にも数多ある台湾料理屋さんで、特に台湾人御用達のようなお店を発掘してみようかなあ(在京台湾人の中には、やはり「東京の味は塩辛すぎる」とこぼす方が多いんですよ)。

そういえば上掲のエントリでは「丸亀製麺」の味が濃すぎてつらいという話を書いたのでしたが、最近いいことに気づきました。「釜玉」を頼めば、塩辛さを回避できるのです。ご案内の通り釜玉は、麺と卵を混ぜただけのいわば「味つけをしていないカルボナーラ状態」で、卓上の醤油を回しかけて全体を混ぜ、いただくものです。つまり回しかける醤油の量を自分で調整できるわけですね。これは助かります。なぜもっと早く気づかなかったかなあ。

ちなみに職場近くの「丸亀製麺」は、カウンターに居並ぶ店員さんのほとんどが外国人労働者であることに今日気づきました。「釜玉の並、温玉で。混ぜてください」などという注文に素早く応じるみなさん。自分が外国でお昼のピーク時にこういう注文を次々にさばけるだろうか……と想像すると、そのスゴさに頭が下がります。