インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

えらく違う

  ベースを奏でるお笑い芸人でメジャーになった城下町にやってきた。
  午前中は高速道路を一路西に向かう。今回アテンドしているお役人は、先週までと違っていかにも官僚然とした方々。中国から着いてきた会社側の通訳者は、段だら模様の金髪にローライズジーンズ、銀のじゃらじゃらアクセサリーに底の厚いサンダルという、およそ仕事をしに来たとは思えないいでたちだ。いやはや、先週と全く同じ内容の仕事をしているとはとても信じられないほど雰囲気が違う。
  先週のような、“敬業精神*1”にあふれた中国人に接すると、その薫陶を受けるような気がしてずいぶん救われる。今週のような、本来の仕事をさっさと切り上げ、移動の車中では大声で買い物や温泉に行く話ばかりに興じる中国人に接すると、自分が中国語を仕事に選んだことを軽く後悔する*2。私も相当単純な人間だ。
  工場見学ではパナガイドのイヤホンとマイクを渡され、日本側が説明する内容を同時通訳で中国側のイヤホンに届けるというスタイル。見学とはいえ、担当者が入れ替わり立ち替わりほとんど途切れることなく説明していくので、えらく疲れた。歩きながら同通したのは初めてだ。
  夜の宴会はお役ご免のはずだったのだが、ぜひどうぞと誘われる。派遣会社との契約で、宴会に出席した場合は通訳料がチャージされることになっている。けれどクライアントは「まあまあ、そう堅いこと言わず、ご馳走を食べていくだけでいいから」と無邪気におっしゃる。全くの好意から言ってくださってるのが分かるので、どうしても断り切れず、出席する。まあ、席に着くと案の定、歓迎の言葉やら乾杯の音頭やらを通訳することになったのだけれど。

*1:仕事に真面目に打ち込む、自分の仕事に誇りを持つ、といった態度。

*2:もっとも審査を受ける日本企業側は、適当にさっさと済ませてくれるほうがありがたいかもしれない。