インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

留学生の同時通訳実習

昨日は留学生の通訳クラスで、講演会形式で同時通訳の実習を行いました。うちの学校には同通ブースつきの立派な「国際会議室」なる部屋がありまして、その施設を使っての訓練です。

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講演をしてくださる講師を外部から招き、「容赦のない」日本語で通常通りの講演をしていただき、それを「日→英」と「日→中」の2チャンネルで同時通訳します。会議室に備えつけのイヤホンのほかに、無線で音声を飛ばす「パナガイド」も専門の業者からレンタルして用意するなど、かなり本格的な訓練です。

本来こうした訓練は、民間の通訳専門校などでは一番上の「同通クラス」で行うものですが、うちの学校ではそれよりもう少し下のレベルの留学生も参加します。正直に言って生徒によって語学の習熟度はまちまちなのですが、一度こうした本格的な訓練に参加してみるのもいい経験になるということで、毎年この時期に行っています。

この訓練のためにここ一ヶ月ほどは各クラスで、これまでに積み重ねてきたシャドーイングに加えて、スラッシュリーディングと順送り訳、サイトラ、さらにはボイスオーバーなど一通り訓練してきました。また予習が不可欠ということで、講師の先生には早めにパワポ資料をご提出願って、それを元にグロッサリー(用語集)を作ったり、関連資料を読んだり、講師の先生から指定されたYouTube映像を視聴したりしました。

そうやって十分な下準備を積み重ねて「本番」に望んだのですが、本番直前は緊張のあまり、かなりナイーブになっている人や神経が高ぶっている人などが続出、そうした人たちへのケアもあって担当講師の私たちも東奔西走……ということで、いや、こちらもぐったりと疲れました。

まあ本番では、ほとんどのみなさんが普段以上の実力、あるいは火事場の馬鹿力を発揮して、何とか通訳も形になっていました。往々にして本番の出来が一番良かったりするものですよね。もちろん十分な予習を積み重ねたゆえの結果ではありますが。将来留学生のみなさんが同時通訳をする機会はあまりないかもしれませんが、それでも企業などではウィスパリングなどで通訳を担当することもあるでしょうし、経験になったのではないかと思います。

で、一晩明けて、今朝は雨が降っていたということもあって、多くの留学生が一時限目の授業をお休みしていました。留学生の人数が多いので、同時通訳の交代時間はプロが普段やっている15分とか20分とかではなく、ほんの3分から5分程度で、ひとりひとりの担当時間は正味10分から15分程度だったんですけど、それでもけっこう疲れちゃったみたいですね。

15分程度同通やって次の日はお休みって、どこのお殿様ですか……まあそういうとこもカワイイですが。学生さんの特権ですかね。