インタプリタかなくぎ流

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こんなボタンみたことない!

東京は新宿の文化学園F館ギャラリーで開催されているボタンの展覧会を見てきました。小さな会場ですが、とにかくボタン・ボタン・ボタン……さまざまな形と色と素材のボタンが展示されています。アンティークボタンのコレクション「TOMA collection」の展覧会だそうです。

狭義には服の合わせ目を固定する器具というだけのボタンですが、古今東西、長い歴史の中でここまでのバリエーションを持ちながら発展してきたのだなあと、人間のボタンに対するこだわりの深さと細かさに圧倒されました。中にはほとんど「留め具」としては機能しないんじゃないかと思えるような装飾性の高いボタンもあって、見ているだけで楽しいです。

さまざまなボタンを見ながら、この感じはどこかで……と考えていて、思い出しました。去年東京国立博物館で見た「根付」のコレクションと似ているなと。根付もほんらいは印籠などを帯から下げるための留め具でしたが、その後は実用品というより超絶技巧を凝らす工芸品としての独自の発展を遂げました。

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こういう根付を見ていると、ついつい「こういう細かいところに凝っちゃうのが日本人だよなあ」などと安っぽい「日本スゴイ」に浸りたくなってしまいますが、この展覧会のボタンたちを眺めていると、世界中で同じように凝りまくる人々がたくさんいた(いる)んだなあと教えられます。こういう極小世界に技巧を凝らしたくなるという欲求は人類に共通したものなのかもしれません。

入場無料で今月21日まで。文化学園の本館を通り抜けた先の建物の一階でちょっとわかりにくい会場ですが、お近くにお越しの際はぜひ。かわいいボタンの展示即売もやっています。