インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

専門家に教わる

不定愁訴、それに夜も寝られないくらいの肩こりと腰痛の改善を目指しパーソナルトレーニングに通い出して一年半ほど。この間の「収穫」は大きいものでした。不定愁訴(男性版更年期障害?)はほぼ雲散霧消しましたし、肩こりもほとんどなくなり、腰痛は……これは時々襲ってきますけど、そのたびに重点的に改善のための運動を指導してもらって、ひどい状態に陥ることはなくなりました。

先日もずっとデスクワークをしていて腰が「しくしく」言い出したので、退勤後にジムへ行き、トレーナーさんにお願いして腰痛改善の運動だけ重点的に指導してもらいました。おかげでずいぶん楽になりましたが、改めて感じたのはやはり「自己流ではなく、プロにきちんと指導してもらうことの大切さ」でした。

パーソナルトレーニングでは体幹レーニングと筋トレを中心に行っているのですが、そのいずれの運動をする場合にも、トレーナーさんから姿勢や呼吸やマインドセットなどについて細かく指導が入ります。自己流に流れず、最大限効果が上がるように常に修正が求められるわけです。身体の部位に手を当てて「ここに意識を向けて」といった注意もひんぱんに行われます。

実はこの春からもう一つ別のジムに通い出して、パーソナルトレーニングで教わったことを復習しながら一人でトレーニングしているのですが、やはりトレーナーさんがいないとかなり心許ない。その動作が鍛えようとしている筋肉にきちんと効いているのか、かえって身体を痛めるような動きになっていないか、力の入れ方や呼吸の仕方やペース配分はどうか……それらが自己流に陥っていないかどうか、確認できないからです。

身体の使い方については専門家と言ってもいいプロのアスリートが、なぜわざわざトレーナーを雇って訓練や調整を行うのか、改めてよく分かりました。自分では気づかない欠点を指摘してもらい、自己流に陥って「故障」をまねくのを防ぐためでもあるんですね。プロのアスリートでさえそうなんですから、素人の私たちならなおさらです。

そう思って、新しく通い始めたジムで周りを見回してみると、自己流でマシンを使っているとおぼしき方が大勢いらっしゃいます。大きなお世話ですが、かなり危なっかしい(身体を痛めそうな)使い方をされている方もちらほら。私もずっと以前に二年ほどスポーツジムに通っていたことがありますが、そのときは全くの自己流で一度もパーソナルトレーニングを受けなかったので、全くといっていいほど体調は変わらず、筋肉もつきませんでした(それでも何も運動しないよりはましですけど)。

餅は餅屋、蛇の道は蛇、芸は道によって賢し。その道の専門家に教わるというのは大切なことだと思いました。語学も、特に発音など初級段階については、できればきちんと専門の先生について訓練したい。中国語も、発音の比重が他の言語に比べて非常に高い(ブロークンだとかなり通じにくい)言語であるため、最初はプロについて発音を訓練しないと、なかなか使える語学にならないとよく言われます。

語学、特にその発音は一種の身体能力で、のどや舌や唇などをこれまで母語で馴染んできた方法とは違った形で動かす一連の体系です。そう考えれば、語学も、そしてトレーニングも、きちんとプロについてもらって教わるのが吉ということになりそうです(プロにも善し悪しがあるというのが悩ましいところですが)。

新しくジムに通い始めた分、パーソナルトレーニングの費用を少しは節約できるかしらと算盤をはじいていたのですが、どうもそれは考えが甘かったようです。これからも同じようにパーソナルトレーニングに通い続けることになると思います。

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