インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ロジカル筋トレ

筋トレをしているとき、そのトレーニングが「効いている」か「効いていないか」が分かることがあります。効いているときは、鍛えた身体の部位が「じわーっ」と疲労しているのが感じられたり、見た目にもその部位が張って膨らんでいたり(いわゆる「パンプアップ」という状態)します。そういう状態は、プロのトレーナーさんについてもらうパーソナルトレーニングの際には必ず感じられますが、自分一人でトレーニングしているときには感じられたり感じられなかったりとさまざま。

つまりは、効いていることが感じられないときには、そのトレーニング方法にどこか間違っていたり、理想的ではなかったりする部分があるということなんでしょう。そう思えるようになったのは、やはりパーソナルトレーニングを始めてからです。トレーニング時のちょっとしたフォームの違いや、意識の向け方の違いで、効果がまったく違うということが分かったのは、プロのトレーナーさんに一対一で教えてもらったからです。

ずっと以前に、一度も教えてもらうことなく自己流でトレーニングをしていたときには、だからまったくといっていいほど効果はなく、身体にも変化は現れませんでした。やはり独学というのは、特にこうした身体の動かし方という分野の独学というのは、かなり成立しにくいものなのかもしれません(語学もある意味身体トレーニングなので同じようなところがあると思います)。

そうした自己流でちっとも効果が上がらない「ざんねんな筋トレ」と、なぜそれをするのか・どうやってそれをするのかを論理的に考えた上で行う筋トレとの違いを明快に示した、清水忍氏の『ロジカル筋トレ』を読みました。書店で偶然見つけて手に取った本でしたが、全篇とても腑に落ちる説明ばかり。読みながら、本が付箋でいっぱいになりました。

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ロジカル筋トレ 超合理的に体を変える (幻冬舎新書)

これだけ筋トレがブームなどと言われながら、それでも清水氏のこの本が世に問われなければならなかったということは、いかに「ざんねんな筋トレ」をしている方が(かつての自分も含めて)世の中に多いのかということですよね。そこには、ひょっとしたら私たち日本人特有の「いちど始めたらなかなかそのやり方を変えられない」物事の進め方とか、スポーツ界に根深く潜んでいる根性論や「いいからやれ」「つべこべ言わずにやれ」的な精神論なども見え隠れします。

この本ではそれらに対して「リーズン・ホワイ(reason why)」を繰り返し問いかけています。なぜそれをするのかを常に自分に問えと。また人に指導する場合にもそれを明確に言語化して伝えよと。これもまた、語学においてもまったく同じことが言えるのではないでしょうか。筋トレにとどまらず、あらゆるトレーニングに敷衍できる考え方を示している貴重な一冊だと思いました。