男性版更年期障害とでも言えそうな不定愁訴に耐えかね、ジムに通い始めて4年ほどになりました。この間、1対1で指導してもらうパーソナルトレーニングを軸にして、そこで教わったことを毎朝出勤前に職場近くのジムでこなし、さらにLINEを使った体幹トレーニングのレッスンを組み合わせて現在に至ります。
このLINEを使ったトレーニングはよくできていて、私の課題(腰痛予防)に重点を置いた体幹トレーニングメニューが週替わりで6〜7種類ほど動画つきで送られてくるほか、「今日はトレーニングできましたか?」とか「やってみて身体に違和感を覚えたところはないですか?」などのプレッシャーメッセージが毎日届きます。結果、いやでもきちんと毎日メニューをこなすように。
4年間で身体がどう変わったかといえば、あいかわらず腰痛は襲ってきますし、日々疲れ気味であることもあまり変わりません。ただこれは加齢に伴うものですから仕方がないと思っています。でも、夜中に目が覚めるほどひどかった肩凝りはまったくなくなり、不定愁訴のようなものも雲散霧消しました。腰痛も、以前のような歩くのもつらいほどの大変な状態には陥らなくなりました。
さらに筋トレで体力もつきました。4年前にくらべて明らかに元気になったと思います。というか、あのまま何もしないでいたら、何か大きな病気をしていたか、下手をしたら死んでいたかも知れないとすら思います。
元気になったら筋トレに対する「欲」のようなものが出てきて、少しずつハードルを上げてウェイトトレーニングに取り組んでいます。いわゆる「BIG3」と呼ばれる種目のうち、デッドリフトだけは腰に負担を与えすぎるのでトレーナーさんからやらないように言われていますが、そのほかのベンチプレスとスクワットはほぼ日課になりました。
ベンチプレスはなかなか数字が上がりませんが、トレーナーさんの指導を仰ぎながら細かいフォームの改善を重ねて、最近ようやく「横這い期」を抜け出して少しずつ上がるようになりました。スクワットはあまり重量をかけず、腰痛予防の観点から骨盤と背骨の角度に留意しながら取り組んでいます。ほかにも腕や背中や肩などの種目を教わって、ローテーションさせながら組み入れています。
https://www.irasutoya.com/2020/08/blog-post_40.html
パーソナルトレーニングはもちろんそれなりにお金がかかりますが、少なくとも最初はきちんとしたトレーナーさんに指導してもらって、正しいトレーニングの仕方を教わる方がよいと思います。これは語学の発音指導にも通じるのですが、これまでとは違う身体の使い方を覚えるときには(語学の発音だって、口の形、舌の位置、息の出し方など、ようは身体の使い方です)、独学ではなく必ず優れたプロの(ここが大切です。優れていないプロもいますから)指導を仰ぐべきです。
なぜなら、それまでの身体の使い方は、当たり前ですけど人それぞれにまったく異なるから。その個々人で異なる身体の使い方に合わせて対策を立ててもらい、きちんと言語化して伝えてもらうと同時に、身体を使って(筋トレや体幹トレの場合は主に手ですが)*1指導してもらう。そうしたプロセスが死活的に重要です。
筋トレや体幹トレを指導する書籍や映像もたくさんありますが、畢竟それらは多くの人に共通する課題に対して解説をしているので、個々人の抱える課題とは距離がある場合も多いのです。さらには独り合点して間違った身体の使い方をしてしまえば、逆効果になる可能性もあります。
トレーナーさんにもいろいろな方がいて、私も語学を教える立場のはしくれなのでその教え方にとても興味を持っているのですが、優れたトレーナーさんはとにかく言語化が巧みです。ご自身でやってみせる動きと、私のそれとは異なる動きとの間で何が違っているのか、どうすれば正しく動けるのかをきちんと日本語で論理的に語ることができるのです。「ぐっと」とか「ぱーっと」とか「すっと」とか「だーっと」などといった言葉を一切使うことなく。
4年間ジムに通い続けて、つくづく良いトレーナーさんを探すことの大切さを感じています。
*1:語学の発音指導ではあり得ないかも知れません。でも私の恩師の故C老師など、生徒の口に指を突っ込んで指導するという「伝説」がありました。いまの時代にそれをやったらたぶん大問題になるかも知れませんが、手を出してでも指導するというその情熱には共感できるところがたくさんあります。