インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

自分で動かないと変わらない

私はいまだに毎朝「紙の新聞」を読んでいるんですけど、大手全国紙に載る広告はどこも高齢者向けのものが多いですね。日経だけはさすがに企業のイメージ広告やビジネスマンが興味ありそうな服や靴、不動産なんかの広告、あとこの時期だとお歳暮関係なども載っていますが、ほかの各紙は健康食品とかサプリメントとか「あったか下着」とか「終の棲家」関係とか、あと墓地や霊園とか……あたりまえとはいえ、如実に読者層を反映しています。

このないだは東京新聞の朝刊にこんな惹句の全面広告が載っていて、思わず笑いました。「肩・腰・膝・首まで不調を感じていませんか?」……はいはい、感じてます! まだ「50代の時とは違う疲れを感じる60代、70代」ではないですけど、それ、まんま私のこと! いや、企業のマーケティング力、おそるべし。

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これはそういう「加齢に伴う肩・腰・膝などの不調」を訴える方向けに栄養補給ドリンクを宣伝する広告なんですが、ただ、そういうドリンクを飲んでも不調の根本的な解決にはあまりならないんですよね。ドリンクや薬を飲む、湿布やテープを貼る、指圧やマッサージを受ける……、つまり受動的な対処だけでは不調はなかなか立ち去ってはくれないのです。やっぱりここは能動的に動かなければ。つまり自分で身体を動かすことで不調を解消していくのです。

私は「天命を知る」歳をこえたあたりからの「不定愁訴」に耐えかねてパーソナルトレーニングのジムに通い始め、体幹レーニングや筋トレに加え、節酒や節食を行って一年あまりが過ぎました。一時期「降圧剤服用寸前」まで上がっていた血圧も正常値の範囲近くまで下がり、夜中に痛みで目が覚めてしまうほどの肩凝りもなくなり、何もかも投げ出したくなるほどの疲労や不快感はかなり軽快し、腰痛もあまり起きなくなりました。

ジムでトレーナーさんに一対一で指導してもらいながらいつも感じているのは、「自分で動かないと変わらない」ということです。そしてまた、身体の使い方やメンテナンスって、とてもデリケートで繊細な感覚と思考、さらにはイメージ力が必要だということです。薬やサプリを飲んで安心したり、自分の身体を専門家に預けて「ああ、気持ちいい」となるのも、もちろんしないよりはした方がいいんでしょうけど、それらは畢竟、自分で意識して、考えてはいない。

それがトレーナーさんに指導されている時は、しょっちゅう細かい指摘や指導が入りますし、トレーナーさんが実際に身体のあちこちに触れたり、支えたり押したり引いたりされるので、その度に自分で自分の身体を調整することになります。そういう能動的な身体の使い方が蓄積されて初めて身体の不調も解消されていくのではないか。

足腰が弱っても、身体の状態に合わせて、座ったままで、あるいは寝ていてもできることはいろいろある。そして能動的に身体を使えるうちにそれを習慣化しておいた方がいい——これが不調の解消を目指して一年間試してきた上でのささやかな結論です。