先日、大相撲舞鶴場所で、土俵上で倒れた市長さんに救急救命をした女性に対し「土俵から降りてください」とアナウンスがなされたというニュースがありました。
私自身は、伝統より人命優先だと思うし、女人禁制という大相撲の伝統もその根拠や歴史性は怪しくかつ時代錯誤だと思うし、とっさにそういうアナウンスをしてしまう(させてしまった)日本相撲協会に通底している思想というか空気には大きな違和感を覚えます。
この件に関してはSNS上でもかなり「炎上」していたのですが、救急救命の観点からなされていた、こちらの連続ツイートが心に残りました。
これはドリンカーの生存曲線と呼ばれるグラフです。呼吸停止2分が過ぎてから、背筋が凍るような勢いで生存率が減っていくのがおわかりでしょうか。救命処置は時間との勝負です。猶予は2分しかありません。1km先にいるブラックジャックには救えないけれど、いまそこにいるあなたが救える命があります pic.twitter.com/uxsLf31QlN
— はまりー (@travis02130213) 2018年4月5日
もちろんきちんとした救命措置のやり方や、AEDの取扱いを学んだ方が安心です。都内の各消防署では救命講習を行っています。もっとも簡単な救命入門コースなら45分で受講証がもらえます。ぜひ応募してみてください。手応えがないという方なら、上級の各コースにも挑戦してみてください。
— はまりー (@travis02130213) 2018年4月5日
なるほど、YouTubeでもその瞬間の映像を見ましたが、くだんの女性は迷うことなく土俵に上がると即座に心臓マッサージを始めていました。日頃から訓練を行い、何かあった時にはすぐに行動に起こすという意識を持ち続けていなければできない反応だと思いました。
私も、多数の人が集まる学校で働いています。教務室の前にはAEDが設置してありますが、使ったことは一度もありません。でもいつか私の目の前でも同じようなことが起こるかもしれないですよね。実は昨年、学校の合宿で長野県に行った際、留学生のひとりが急性アルコール中毒で倒れました。私はとっさに救急車を呼び、病院まで付き添いましたが、病院の先生からは厳しい言葉をいただきました。あんた、引率の教師として何をしてたの? と。
既に大人である留学生の失態と、突然の疾患や発症は一緒ではありませんが、万一に備えておくことは大切だなと改めて思いました。というわけで、消防署などが開催している「救命講習」を検索してみました。東京消防庁の救命講習についてはこちらに案内があります。
東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><救命講習のご案内>
東京防災救急協会のウェブサイトからは講座を検索でき、申し込みまで行えて便利です。
とりあえず、いちばん基本の「普通救命講習(自動体外式除細動器=AEDの講習つき)」を選んで申し込みました。心肺蘇生やAEDの操作方法、異物除去、止血法などを学ぶコースです。今回の件をきっかけに、多くの人が受講するといいなと思います。