インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

岡山の山羊肉

山羊肉とパイナップルの炒めもの同僚と一緒に岡山へ羊肉料理を食べに行く。岡山といってもここは高雄と台南のちょうど中間にある街。この街はなぜか羊肉料理と豆瓣醬(トウバンジャン)で有名。街のあちこちに“羊肉”の看板を掲げた店がある。
羊肉とはいっても、実際にはsheepではなくgoat、つまり山羊の肉だ。岡山近辺で川沿いの道に車を走らせていると、河川敷で山羊が放牧されている光景を目にすることがある。小柄な黒い山羊が何百頭という群れで移動していて、羊飼いならぬ山羊飼いらしい青年もいる。おもわず「ユキちゃ〜ん、ヨーゼフ〜、おじいさ〜ん」と叫びたくなってしまう(©ヨハンナ・スピリ)。
山羊の骨付き肉や野菜などを煮込んだ“羊肉爐”という鍋をメインに、山羊肉と苦瓜の炒めもの、山羊肉とパイナップルの炒めもの(絶品!)、胃袋や腸などを和えものにした“涼拌羊肚”、それに老闆娘(おかみさん)おすすめの、なんだかワケのわからない内臓*1を生姜と一緒に炒めたものなどなど、独特の料理を味わう。どれも肉が軟らかくて、とてもおいしい。北京の“涮羊肉(羊肉のしゃぶしゃぶ)”も捨てがたいが、岡山のこうした山羊料理もまた奥深いものがある*2
まわりを見渡せば、スープにどど〜んと入っているぶっとい山羊の骨から骨髄を「ちゅ〜っ」と吸っているカップルあり、山羊肉の餃子を片っ端から平らげている家族あり、みなさん、なんというかとてもワイルド。
今日行ったお店はすでに何度も通っている“源坐羊肉”というお店で、隠れた名店。隣にある“徳昌羊肉”がひときわ目立つ大きな店構えで有名なのだが、味のほうは実は三流。隣の目立たない“源坐”のほうが比べものにならないくらいおいしい。

*1:たぶん肝臓とか腎臓とか、そんなの。もしかしたら睾丸だったかもしれない。この店はときどき、脳みその炒めものなどという珍味も食べさせてくれる。脳みそ……BSEとかスクレイピーのことを考えると、一瞬箸が宙を迷うけれども。

*2:どうしてこんなに羊肉が好きなのか、自分でもよくわからない。先祖はきっとモンゴルあたりの遊牧民だったんじゃないかと思う。