インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

郵便局の「変わらなさ」について

メールや宅配便、あるいはバイク便でほとんどのやりとりを行うようになってからというもの、街の郵便局に行くことはほとんどなくなりました。それでもたまにお仕事の請求書を郵便で送ってくださいというクライアントがいるので、年に何回かは職場近くの郵便局に出向くことになります。

郵便局ってすごく不思議な空間です。特に私が、これはもう数十年前から興味を持っているのは、局内がどうしてあんなに「ゆるカオス」とでもいうべき状態になっているのかという点です。窓口や制服などのデザインは統一されているのですが、カウンターから壁から天井から、あちこちに手書きのポスターやらPOPやら立体工作物やらが充満していて、特にその小学校の図画工作や夏休みの宿題を思い出させる工作物関係に、いつもしみじみと見入ってしまうのです。

それら工作物は、おおむね郵便局が取り扱う商品の宣伝・販促用であることがほとんどです。暑中見舞い用はがき「かもめ〜る」の季節なら段ボールや発泡スチロールで作られたカモメさんが、お歳暮の季節なら各地の特産物を紹介した様々なポスターに折り紙で作られた雪だるまや羽子板やおせち料理が……ってな感じで、何というのかなあ、中学校の文化祭を彷彿とさせる雰囲気に満ちているのです。

最近はあまり郵便局に行かないのでそれほど詳しくないのですが、以前フリーランスで働いていたときは各種書類の発送や、あと副業的にやっていたAmazonマーケットプレイスの出荷などであちこちの郵便局に行きました。局によっていろいろ差はあるのですが、おおむねどこもこうした手作り感満載の「作品」があふれていたように思います。これはアレですかね、日本郵便の本社営業部から、そうした手仕事で顧客をつかめ! というような指示が全国の郵便局に出されているのかしら。

今日も今日とて郵便局に行きましたら、相変わらずの「ゆるカオス」ぶりな上に、カウンターの上にはこんなものがありました。

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この「期間限定」の「触診キット」が、かなり異彩を放っています。黒いケースと、隣のアヒル(?)のぬいぐるみもカオス感たっぷり。

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あまりしげしげと眺めるのも気が引けたので確認しませんでしたが、これはたぶん「かんぽ生命」の特約を宣伝するための販促ツールなんでしょうね。乳癌のリスクを理解して、もしもの時に備えましょうといった感じの。……って、この写真をわざわざ撮っている時点でじゅうぶんに怪しい人物かもしれません。「かんぽ生命」は今次の不正販売問題で保険商品の営業自粛を始めたそうですが、訪問や勧誘などの積極的な営業はしないものの、こうやって顧客が自ら「参加体験」する形なら大丈夫なのかもしれません。もっとも私はゴム製の乳房がカウンターに置かれていただけでけっこうたまげましたが。

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https://www.irasutoya.com/2015/04/25282.html

郵便局では請求書を普通郵便で送って切手代82円を支払いました。ふだん現金をほとんど使わない生活なので「Suicaとかカードで支払いできないですよね」と聞いてみたんですけど、「そういうのにはまだ対応してないんです」と局員さんからすまなそうに言われました。なんかこう……いろいろと変わらないなあ、と思ったのでした。