インタプリタかなくぎ流

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職場に「推し」の写真を飾るのはアリ?

ネットで調べ物をしていて、偶然こちらの記事を見つけました。『労政時報』という企業の人事や労務と担当されている方向けの専門誌。私はまったくの門外漢なので存じ上げなかったのですが、1930年創刊という歴史のある雑誌だそうです。記事は労務管理担当者が弁護士の先生にお悩み相談をするというコーナーで、お題は「社員の(職場への)私物の持ち込みを制限することはできるか」。個人的にはなかなか興味深いお題だと思いました。

海外の映画やドラマなんかを見ていると、オフィスの場面でご家族の写真を飾っている場面がありますよね。私はそういうの、こっ恥ずかしくてできないタイプなのですが、特に家族の写真を飾るというのは私たちとは違う文化だなあといつも思います。もちろん日本の我々だって、例えばスマホの壁紙をお子さんの写真にしているなんて方はけっこういますけど(あと、こちらの質問も興味深いものでした↓)。

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それはさておき、家族の写真を職場のデスクまわりに飾るというのも、上掲の雑誌にある「私物の持ち込み」に当たるのかしら。にわかに興味を持ってさらにネットで「職場 私物」などと検索してみると、けっこうな数の議論がヒットしました。しかもおおむね賛成派と反対派に分かれて延々と議論が繰り広げられてきたようです。

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個人情報を扱うなどセキュリティの厳しい職場だと、私物の持ち込みという一種の公私混同(?)はかなり厳しく制限されているようです。でも一般的なオフィスでは写真を飾ったり、ぬいぐるみやマスコットみたいなのを置いたり、引き出しにおやつをストックしておいたりなんてのは普通ですよね。うちの職場でも、人によって濃淡はありますが、みなさんいろいろな仕事関係以外のものをデスク周りに置いています。

かくいう私は「濃淡」でいえば淡も淡、机の上にはパソコン以外ほとんど何も置いていません。というか、あまりに何も置かないので「この人は退職されたんですか?」と言われそうな勢い。でもこれは私がもともとかなり「ずぼら」な性格で、放置しておくとどんどん散らかってくるので、意図的に物を置かないようにしているというだけのことです。「業務に関係ないものを持ち込むべきではない」などと言う気はまったくないですし、他の方がいろいろと置かれているのも気になりません。

そうやってつらつら考えていてひとつ気になったのは、いわゆる「推し」の写真を飾るという場合です。あ、もちろん私は「推し」の写真、それが韓流アイドルであれ、はたまたカワイイ動物であれ、アメコミのキャラであれ、何を飾ろうと自由だと思っています。それで癒やされて仕事がはかどったり息抜きができたりすればそれでいいではないかと。

ただ、たとえば私のような初老のおじさんが「なんとか坂」系アイドルの写真をデスクに飾っていたとしたら、ちょっと引いちゃう・引かれちゃうかな。でも同年代の女性が韓流アイドルの写真を飾っていたら、それはまあ「アリ」かなと思っちゃう。そもそも、いまどき性別や性差を持ち出すこと自体があまり意味を持たないと私は考えますが、これはこれでダブルスタンダードだなと思いました。なぜ職場でおじさんがアイドルの写真を飾るのは「ナシ」で、おばさんのそれは「アリ」だと考えるのかな、私は。


https://www.irasutoya.com/2015/10/blog-post_675.html