インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

傍若無人な方々

ゴールデンウィーク中、スーパーへ買い出しに行くと結構な人出です。特に今年は十連休でほとんどお正月のようなノリになっているからか、普段は並ばないような豪華な食材がどーんと売られていたりして、普段は買い出しになど来ないおじさんたちやお子さんたちなんかも連れ立っていて、店内がよけいにごった返しています。ま、令和、いや平和ですわ。

しかしそんな平和な昼下がりのスーパーで、文字通り「傍らに人の無きが若し」でこちらの心の平和をかき乱して下さる傍若無人な方々がいらっしゃいます。大抵は中年以降銀髪世代くらいまでのおばさま方です。

キュウリ掘り起こしおばさん

1本35円、3本100円のキュウリをためつすがめつ。少しでもお気に召したものを選ぼうとキュウリの山をほじくり返していらっしゃいます。あまつさえ、積んである箱をずらして、下の箱にまで「発掘」を進めてらっしゃる。どれを取ってもそんなに変わらないと思うんですけど、その執念に圧倒されます。というか、はやく選んでどいていただきたい。他の人が取れなくて困ってるから。

選んでポイおばさん

そういうおばさんは、お眼鏡にかなわなかったキュウリをポーイと山に投げて返すんですよね。キュウリに限らず、袋詰めしてあるモヤシなんかの野菜などでもそういうおばさんを時々見かけます。ご自分は買わないんでしょうけど、お店にとってはそれも売り物ですから、私がお店の人間だったらそういうお客さんをつまみ出したい衝動に駆られると思います。

要らなくなったらポイおばさん

時々、商品の棚に異質なものが置かれてあることがあります。例えば日用品売り場に豚コマ肉のパックが置いてあるとか、乳製品の棚にナスの五本袋詰めが置いてあるとか。以前からアレは何なのかしらと思っていたんですが、あるときその理由が分かりました。とあるおばさんが、自分の押しているカートのかごから肉のパックを取り出して、その辺の棚にポーンと置くのを目撃したのです。

なるほど、買い回っている間に「やっぱこれ要らないわ」と思うも、元の売り場まで戻るのは面倒だからその辺に置いちゃえ,どうせ私は買わないし……ということなんですね。これもお店の人からしたらとんでもない迷惑行為ですが、けっこうよく見かけます。というか、このレベルになると少々認知症的なものも関係しているかもしれません。

何が何でも奥から取りたいおばさん

そんなに腰をかがめて腕をねじ曲げていたら筋がつっちゃうんじゃないの?……とこちらが心配になるくらいの姿勢で、棚の奥に腕を突っ込んで少しでも奥のものを取りたいと奮闘しているおばさんです。牛乳パックでも肉でも野菜でも、とにかく一番奥から取らないと気が済まないみたい。肉のパックなど、パック日が全部同じでも、やっぱり奥から取らなきゃ損! みたいな信仰があるみたいですね。ただ、これについては職場でアンケート調査してみましたところ、「必ず手前から取る派」は何と私ひとりだけでしたから、私の方がおかしいのかもしれません。

レジではやくしろよおじさん

ここまではおばさんばかり取り上げてきましたが、これだけは圧倒的におじさんの領分です。おばさんでこのタイプは、私はまだ遭遇したことがありません。少しでもレジの列が短いのはどこかと右往左往しているうちに却って時間を使っちゃってるおばさんはよく見かけますが。

はやくしろよおじさんは、前の人や前の前の人がレジで支払いにもたついていると、まずは「チッ」と舌打ちをはじめ、そのうちに速やかな清算終了を求めて怒鳴るのです。「何もたもたしてるんだ」「レジに店員を増やせよ」……等々。もとより内向的で慎み深い日本人のこと、こうやって声にまで出しちゃうおじさんの出没確率はそれほど多くありませんが、明らかにイライラしているおじさんはけっこうよく見かけます。

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https://www.irasutoya.com/2018/09/blog-post_22.html

いい年してみっともない、というか、はしたないことはお互いよしましょうよ。どこかの国の首相も改元にあたって「人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つ」などと新しい時代への展望をのたまっているではありませんか。野田秀樹氏がおっしゃったように「醜く心を寄せ合う」ことなどあり得ないんですからいささか意味不明ではありますが、「日本の国柄をしっかりと次の時代へと引き継いでいく」んでしょう? まずは隗より始めよ、身近なところからですよ。

……と、かく言う私も上述のようなおばさんに接するとつい「どれでも同じだよ」とか「いい年してみっともないよ」などと声に出して言っちゃうんですから、「はしたない」ですし「傍若無人」かもしれません。人の振り見て我が振り直せ。以て自戒としたいと思います。