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しまじまの旅 たびたびの旅 81 ……京都の春巻と大阪のカレー

小学生の頃、京都市大阪市のちょうど中間あたりにある枚方(ひらかた)市に住んでいました。家族で出かけることが大好きだった両親は京都・大阪・奈良の様々な場所に連れて行ってくれたのですが、子供だったせいか、神社仏閣はさておき、あちこちで食べた「おいしいもん」の印象が深いです。

今回、京都では「ハマムラ」さんに行ってみました。昔からある広東料理、といっても京都風のあっさり味が特徴の中華料理店です。先般読んだ姜尚美氏の『京都の中華』でも紹介されていました。


京都の中華

現在は場所が変わっているこのお店、子供の頃に一度連れてきてもらったような記憶があるのですが、定かではありません。ただこの「ハマムラ」という文字を使った横顔のロゴマークが強烈で、よく覚えているのです。

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https://kyoto-chuka-hamamura.owst.jp/

ハマムラさんでは「春巻き」と「豚天」と「からしそば」を食べました。いずれもこのお店の名物です。

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この春巻きが食べたかったのです〜。餡は筍をはじめとした野菜が中心で、京都中華の名の通り、極めてあっさりした味わい。このお店に限らず、関西の中華料理店の春巻きはこういうスタイルもよく見られます。子供の頃、法事か何かで親戚一同が集まると大概中華料理店のお座敷で食事になって、大きくて赤い円形テーブルにこの春巻きが並んでいました。酢や醤油で食べてもいいけど、塩胡椒をつけて食べるのもいいんですよね。

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豚天(豚肉の天麩羅)も、分厚いお肉ながら柔らかくて美味しいです〜。しかもさすが関西、味が薄くて本当に助かります。

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からしそばは「あんかけ焼きそば」ふうなんですけど、あんにほんのり芥子の風味がついているのです。麺も独特の食感で、全体はもちろん薄味です。東京で外食をすると、ほとんどの場合私には塩辛すぎるので、京都のこうした中華、本当に魅力的です。

大阪は浪人生時代に予備校へ通っていた場所なので、かなり土地勘があります。……が、それでも数十年経っていますから、当然かなり風景は変わっていました。特に梅田の阪急百貨店のあたり。大阪では、なんばの自由軒に行きました。ここも親に連れてきてもらったお店です。

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ここは織田作之助が愛したお店というふれこみで、カレーとご飯をあらかじめ混ぜ、上に生卵をのっけたものが名物です。ソースを回しかけて、全体をよくかき混ぜて食べるという……。

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このカレーを「おつまみ」にビールを飲んでいるおじさんがいたりして、店内はいたって庶民的。中国語圏からと思しき観光客の方も数組お見かけしました。

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道頓堀でポロシャツを買ったお店の店員さんに聞いたのですが、最近はお店の売り上げの約半分が中国語圏からの観光客によるものだそう。その言葉を裏づけるように、心斎橋からミナミにかけて、さまざまな地方の中国語が飛び交っていました。