インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

男子高校生の制服がかわいそう過ぎる

小学校・中学校・高校とすべて制服を着ていました。小学校は白シャツに紺の半ズボン(冬でも半ズボン)。中学校と高校はいずれも黒の「学ラン」です。そこから幾星霜、制服のことなど意識の片隅にも登らぬ日々を過ごしてきましたが、最近東京都中央区銀座にある某小学校でアルマーニの制服を導入という話題が巷間かまびすしくなっていました。

diamond.jp

私自身は、この小学校の校長さんのエキセントリックな言動をみるにつけ、高級ブランドの制服を着せてまで「服育」しようという意図には大きな疑問符をつけざるを得ないですし、そもそも制服という強制そのものについても違和感を覚えている人間です。

ただ、どうせ制服を着せるなら、もうちょっと「カッコいい」ものにすればいいのに、とも常日頃思っています。でもそれはアルマーニのようなブランドの「カッコよさ」ではなく、仕立てというかフォルムというか、制服全体の雰囲気の問題です。

毎朝、通勤電車の中で多くの生徒さんを見かけるのですが、とりわけ高校生、なかんずく男子高校生の制服を見ていつも「かわいそう過ぎる」と思ってしまいます。余計なお世話ですが。実例をご覧に入れたいのですが、往来で個別具体的な写真を撮るとただの怪しいおっさんになっちゃうので、ここはGoogleの画像検索で見てみましょう。

f:id:QianChong:20180225112224p:plain
高校生 男子 制服 - Google 検索

どこが「かわいそう」なのか分からない? まあ画像検索に登場する高校生はモデルさんだったりすることが多いので、それなりにカッコよく着こなして見えるんですけど、でもよ〜く見てください。何となくだらしない感じが伝わってきませんか。

これは「サイズ感」の問題だと思われます。全体的に服のサイズが大きすぎるんですよね。ぶかぶか、というか、だぶだぶ、というか。たぶん身体の成長期にあってどんどん体型が変化していくから、また一つのデザインで色々な体型の生徒さんをカバーしなきゃならないという制服の宿命からか、最初から余裕を持った裁断にしているのだと思います。が、これがだらしない雰囲気を醸し出してしまうんです。

特に制服のズボン(パンツ・スラックス)。腰のところにタックが入っていて裾幅もかなり太めです。これ、ビジネススーツの世界では「おっさん感」を醸し出す最強のアイテムなんですよね。服には流行の波がありますから、普遍的なカッコいいデザインというものは存在しないし、そも個々人の趣味の問題ではありますけど、最近はどちらかというとスリムフィットの傾向が強いと思います。ふだんはぶかぶかの制服のパンツをはいている男子高校生も、休日のカジュアルはスキニーっぽいジーンズかもしれません。

もちろん、体系的に太めの生徒さんなら、タックを入れてゆったりめのパンツの方がいいでしょう。また若い人たちは活発に動きますから、その意味でも多少余裕を持たせたデザインの方がよいのでしょう。ビジネスマンとは明らかに違う「生態」の人々ですもんね。

ただ、おしゃれをしたい年頃の彼らには、もう少し選択の幅を持たせてあげればいいのにと思うのです。例えば、パンツのタックありなしや裾幅を選べるとか、でなければ購入後にパンツの裾幅を調整してあげるとか。そういう調整はスカートの裾の長さ同様校則で禁止されていそうですが。

そこへ行くと、同じ制服でも洋服の伝統が長いヨーロッパの高校生はカッコいいです。例えばかの英国のエリート校「イートン校」の生徒さんたち。同じくGoogleの画像検索をごらんいただきましょう。ほら……

f:id:QianChong:20180226204355p:plain
イートン校 制服 - Google 検索

……あら? まあ日本の高校生の制服に比べると多少はスリムな感じもしますけど、それでもけっこうだぶだぶしていますね。こんなはずではなかった……ということは、カッコよく見えたのは「中身」のせい(たいへん失礼)? なんともしまらない結論になってしまいました。

追記

この件に関して検索していたら、面白いページを見つけました。

toyokeizai.net

私もちょうどこの年代、つまり1980年代に青春を過ごしてその時代に「すり込まれたファッションセンス」を体現している世代です。

実は以前私がサラリーマンだったときに着ていたスーツやシャツは、さすがにソフトスーツほどの「だぶだぶ」ではありませんでしたが、ブルックスブラザーズみたいなどちらかというと「アメリカン」でサイズ感大きめのものが多かったです。ソフトスーツというのは、「のどごし生」のこのCM冒頭「入社当時」で阿部サダヲさんが着ているこれ(3:14あたりから)。

youtu.be

そんな私に「服は何よりもサイズ感ですよ」と教えてくださったのは、お仕事関係で出会ったとあるスタイリストの方でした。専門家ってすごいですね。それからは選ぶ服が全く変わりました。

現在の高校生の制服を決めているのは、もしかしたら私と同じ世代のオジサンが多いのかもしれません。