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英語を子どもに教えるな

英語を子どもに教えるな
  刺激的なタイトルだが、必ずしも早期英語教育を全面否定する内容ではない。ただし子供たちを英語にふれさせるなら、どんな考え方と戦略で望むべきかを明快に説き、安易なバイリンガル幻想をコテンパンに打ち砕く。
  著者は長らくアメリカで、現地に赴任した会社員などの子供に国語(日本語)を教える仕事に携わってきた塾の先生。母語第二言語も中途半端な状態、いわゆる「セミリンガル」に陥る危険性について述べた部分は、著者が長年実際に子供達を観察してきた結果で、とても説得力がある。「英語ぺらぺら」への安易なあこがれが、こんなにも無惨な結果を残す可能性があるということは、もっと知られていいと思う。
  同じ著者の「『教えない』英語教育」も一緒に読んだが、こちらはよりぐぐっと親や教師向けに、具体的な教育方法を提唱している。