家や部屋の中が散らかっていたり汚かったりすると、それだけで人生がマイナスに向かい始める……ということを説いた本。主に女性向けに書かれた本なので、全編かわいらしいイラストがついている。私のような男が電車の中で読むにはかなり勇気がいる。大昔にベストセラーになった『「捨てる!」技術』と同工異曲なのだが、あの本よりぐぐっと「スピリチュアル」(笑)。
なにせ……
・部屋の掃除をすれば、心のマイナスエネルギーも取り払われる。
・ヨゴレ取りとすると、人生で起こる悩みや問題が解決する。
・掃除のあとは炒り塩を撒き、吸い取ることで、フラットな磁場が完成する。
・「ありがとう」といいながらバスタブを磨くことで、お湯にヒーリング効果が。
・アクセサリーは磨いて光らせることで、マイナスエネルギーを跳ね返し、自分を守ってくれる。
……といったぐあいで、こうしたパワーを著者は「そうじ力」と呼んでいる。
でもそういう疑似科学的なところを折り込み済みで読めば、ふむふむと頷ける部分も多い。確かに部屋の換気をしたり、掃除をしたりしたあとの爽快感は何とも言えないし、仕事もはかどると思う。
それから家のあちこちに溜まっていくさまざまなモノ。大したことのない過去の栄光を引きずっていろいろため込んでいても、結局何年も日の目を見ないモノたちはたくさんあるもので、そういうのを全部まとめて「で〜い!」と川に投げ込んだら、相当すっきりして人生を見る目が変わるかも知れない。この本に妙な魅力があるのは、そういう「人生、リセット」みたいな少々過激な爽快感が理由じゃないかな。
著者の舛田光洋氏は他にも同様の本を書いているのだが、読者、特に女性からカリスマ的な人気を博しつつあるらしい。「そうじ力」というのもそういえば、どことなくカルトふうなネーミングだ。以下はこの本に紹介されていた、氏の前著に対する読者からの手紙。
夜中に読み終わったのですが、トイレに飛んでいって朝まで磨き続けました。なぜだか、涙が止まらなくなりました。心が洗われたようです。
こっ、怖いでちゅ〜!!