- 作者: 三井誠
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/17
- メディア: 新書
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現生人類がどのように進化してきたのかを、最近の知見も含めて紹介している入門書。そうひんぱんに見つかるわけではない人類化石から、科学者たちがどのように推測を立てたり実証したりしてきたのかがおもしろい。
この本を読んでいると、よくもまあこれだけの淘汰と適応と、そして学習を経て、人類は進化してきたものだなあと粛然とした気持ちになる。やっぱりこの宇宙には我々しかいないのかもしれん。
きわめて卑近な例だけれど、私など今着ているシャツやセーターを見るだけですごいことだなと思う。動物なり植物なりの繊維を紡いで糸にして、それを織ったり編んだりして平面にし、さらに身体に合うように立体にする。人類がこうした「技術」を確立するまでの営みを想像するだけで気が遠くなりそうだ。編み物をすると、棒と糸をこねこね動かすだけで平面(いや、実際には立体だけど)を作り出す技術に、よくもまあこんなことを考えついたものだと毎回感動する。
あんまり「よくもまあここまで進化してきた」などと感動していると、その勢いでid:suikanさんが紹介されていた「インテリジェントデザイン」あたりもうっかり信奉しそうになるからこのへんで。