インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

さらに「中国語」学習

ふたたびぽちさんの「のほほん日記」から。しつこくてすみません(^^;)。

実は気になる学校があるにはあるのだけれど、講師の方々は全員大陸の方だったりするわけで。台湾好きだと気がつかれたら、嫌がられたりしないだろうかと思ったりもするのだけれど、どんなもんなんだろう?

――11月16日の「のほほん日記」から

いや、実際これ、あり得るかもしれないなあと思って。
政治的な建前はともかく、商売の世界ではこれだけ両岸三地の往来が盛んになっている(まあ、大陸からの「来」はまだまだだけれど)昨今、台湾好きだからどうこうなどという時代錯誤なことは今やほとんどないだろう、と思う。しかし、前回帰国したときに北京語の恩師(日本人)のところに挨拶に行ったら、こんなことを言われた。

私はいまだに台湾に対して抵抗があってね、どうしても行くことができないんだ。

えっ、と一瞬何を言われているのかよくわからなかったのだが、この先生は左翼的な立場から大陸の古き良き(?)共産党政権にシンパシーがあって、その義理立てから(??)蒋介石の国民党政権――の流れをくむ現在の台湾には足を踏み入れる気がしない、ということなのだろう、たぶん。かつて成田空港闘争を支援した全共闘世代の一部には、今でも海外に行く際に成田空港を使わないことを貫いている人がいると聞いたことがあるが、そういったたぐいのこだわりなのかな?
とまれ、日本人講師の中にはこういう方がいる可能性もある。でも大陸出身のネイティブは私の知る限り透徹したリアリストが多いから、こんなこと、まず言わないと思う。
ただし、そういう政治以外のところで、たとえば「“巻舌音(zh,ch,sh,r)”がなっとら〜ん!」とか「“是這樣子(ああ、そうなんだ〜)”を多用しな〜い!」とか「んな複雑な漢字を書いてるんじゃありませ〜ん!」*1などと、台湾の“國語”を念頭に置いているであろう言語上のツッコミはたくさん入る*2。まあ日本の「中国語」学校ではやはり大陸の、それも“北方”の先生方が多いし、昨日も書いたように教材も基本的に“r化音”がそれなりに入る“北方”の表現が中心だから、しかたがない。

*1:いずれも私が実際に見かけた光景。

*2:以前「中国語弁論大会」に出たとき、参加者の中に台湾華僑の姉弟がいて、このふたりはいずれも“和”を“han4”と発音する正統的“國語”でスピーチしていた。それに対して審査員の先生方(日本人+大陸出身のネイティブ)は少々冷ややかな講評をされていて、その姉弟がちょっとかわいそうに思えた。