インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

百貨店の凋落

この連休に友人を家に招くことになったので、ちょいと「よさげ」なワインを一本調達しようと考えました。普段はもうあまりお酒が飲めない身体になってしまったのですが(実際、今年は——といってもまだ十日あまりですが——まだ一度も飲んでいません)、たまの機会ですから、奮発しようと思ったのです。

ネットであれこれ探していると、とある渋谷の百貨店、その百貨店の通販サイトに魅力的な一本を発見しました。で、ちょうどその日は渋谷を通って帰宅する予定だったので、その百貨店の「デパ地下」にある和洋酒売り場へ直接出向いて、「ぶどうバッジ」をつけた店員さんにスマホで通販サイトの画面を見せ、「このワインありますか?」と聞いてみました。

ところが残念なことに「すみません、売り切れました」とのお返事。でもこの百貨店は渋谷にもう一つ店舗があるので(どの百貨店か分かってしまいますね)、「あちらの和洋酒売り場にもないですか?」と聞いてみました。店員さんは「うちとは在庫管理が別々なので、分かりません」とのこと。う〜ん。それでも「聞いてみてもらえませんか?」と食い下がってみました。

待つことしばし、店員さんは「あちらにもないそうです」。そこで私は諦めて、そのお店をあとにしました。……が、ここでちょっと疑問に思ったことがひとつ。この百貨店の通販サイトには在庫があったはず。だってそれを見て実店舗に赴いたのですから。そこでもう一度スマホで確かめてみると、通販サイトには確かに在庫がありました。でもって注文してみたら、注文できちゃいました。

お目当ての一本を手に入れることができてよかったのですが、私は「ああ、だから百貨店業界は斜陽なのかな」と変に納得してしまいました。

だって、同じ東急百貨店なんですよ(って、もう東急って言っちゃってるし)。その同じ百貨店の店舗Aと店舗Bと通販部門とで、在庫管理を統一していないのです。もちろん百貨店側にも何らかの理由があるのでしょうけど、購入する側からすればそういう「縦割り」は不便以外の何ものでもないですよね。そりゃAmazon楽天市場などに客が流れるわけです。

かつてはその質の高い洗練されたサービスこそが百貨店の売りであり存在価値でもあったと思うのですが、いまやサービスの質でも他の小売り業種に水をあけられてしまったのですね。しかも価格面での強みもないとくれば、客足は遠のく一方でしょう。

私はかねがね、ファッション業界の低迷と軌を一にして百貨店が凋落の一途をたどるなか、唯一「デパ地下」だけはその魅力を失わず、むしろ輝きを増していると感じていたんですけど、今回の和洋酒売り場での一件でその「デパ地下」も例外ではないのかなと思わされました。

追記

この百貨店の通販サイトで注文する際、配達日を指定できないことに気づきました。配送時間帯の指定はできるんですけど、何月何日に届くかは分からないのです。また多くのワイン通販サイトでは配達方法に「クール便」などの指定を選べる設定があるのですが(いいワインなど変質が心配ですからね)、これもありません。百貨店側が「クール可」とした商品のみ選べるんだそうです。このあたりにも百貨店の「お殿様商売ぶり」が垣間見えるような気がします。

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https://www.irasutoya.com/2013/08/blog-post_4614.html

仕方がないので、サイトの「お問い合わせフォーム」から配達日を教えてほしい旨、お願いしてみました。すぐにお返事が来ました。

ご注文いただきました商品はインターネット上でご案内の通り、お届けまでに決済後、約4日~8日前後のお日にちをいただいております。
https://www.tokyu-dept.co.jp/ec/guide/order/delivery.html

おお、百貨店の通販サイトの「通販トップ>総合ガイド>お届けについて」という深いところにある保険の約款みたいな文章に「ちゃんと書いてあるでしょ」ということですね。これは失礼いたしました。そして「約4日〜8日前後」というざっくりとした配達予定日も了解いたしました。これじゃ連休に間に合わないので、別のお店で別のワインを調達するしかなさそうです。