インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

異形の惑星――系外惑星形成理論から

(井田茂/NHK出版/ISBN:4140019662)を読む。以前にid:suikanさんが紹介されていて(http://d.hatena.ne.jp/suikan/20040901#p3)、興味をもったのでamazon.comで購入。いや、これがものすごくおもしろい。
太陽系以外の惑星を探す最新の研究が紹介されているのだが、ここに出てくる惑星たちは、太陽系の惑星とは似ても似つかぬまさに「異形」の存在。中心の恒星のすぐそばで、公転周期が数日という猛スピードで回っている木星に似た巨大ガス惑星「ホット・ジュピター」だの、長大な楕円軌道を描いて灼熱と酷寒の環境をくり返す「エキセントリック・プラネット」だの、巨大惑星同士が大接近して一方が宇宙空間にとばされてしまう「ジャンピング・ジュピター」*1だの、最新の観測結果と理論計算から浮かび上がってきた「系外惑星」の姿は、とても想像力を刺激されて楽しい。
しかも驚くのが、こうした知見はほんのここ十年ほどの間に明らかにされてきたという点だ。1995年以前は、系外惑星を探す試みがことごとく失敗し、太陽系外に惑星は存在しないのではないかとまで言われていたという。つまり系外惑星探査を含む惑星物理学は、いままさに新しい研究結果が続々発表されている、天文学の中でも最も活気にあふれる分野のひとつなのだ。
この本にはほかにも、太陽系外の地球型惑星が存在する可能性や、もっと進んで知的生命が誕生する可能性にまで触れられている。id:suikanさんもおっしゃっているようにとても平易な本で、文系の私にも十分楽しめた。
こういう本を読むと、宇宙の底知れぬ大きさと深さに圧倒されて、日常のこまごまとしたあれやこれやに追い立てられてきゅうきゅうとしている自分がバカらしくなってくる。……と、すぐに卑近な人生論に結びつけちゃうところが、まさに文系(笑)*2

*1:こうしてとばされてしまった巨大惑星が、広大な宇宙空間に多数さまよっている可能性があるのだという。質量が膨大なだけに、そんな迷子惑星が地球のそばに流れてついてきたら影響は甚大だ……などとまっさきに考える私は、かなり暗い性格だなあ。

*2:高校生の時、なぜか地学の成績だけが抜群によかった。10段階評価でいつも9か10。昔から天体とか地震とか火山とか化石とかが大好きだったからだ。上野の国立科学博物館友の会会員だったし(`^´)。それで一時はその方面の学校に進みたいななどと思ったこともあるが、数学の成績が極端に悪くて、進路指導の教師に「ムリ」って言われた……しくしく。