インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

「人圧」に命を奪われそう

ブログ『脇見運転』の酔漢 (id:suikan) さんが「人間が嫌いです」と書かれていました。

wakimiunten.hatenablog.com

このフレーズだけ見ると怪訝な顔をされる方も多いでしょうけど、私も常々感じていることなので共感することしきりでした。特に中高年と呼ばれる年代になってからこちら、人と一定程度以上の距離まで近づくと息苦しさを覚えるようになりました。「人圧」とでも呼べるような、何か物理的な力が働いているのではないかとさえ思えます。

ですから、人の多い場所にはとにかく行きたくありません。買い出しに出かけるスーパーはなるべく人の少ない時間を狙って行きますし(それでもだいたい人でごった返しているんですけど)、人が集まる観光地や人気のスポットなどには絶対に行きたくありません。今はコロナ禍で旅行自体が無理ですが、去年までの数年間に赴いた場所はほとんどがマイナーな人気(ひとけ)の極端に少ない場所ばかりでした。

ですから、酔漢さんも書かれている鉄道駅など、最大に苦手な場所のひとつです。できるだけ「人圧」を避けたいがゆえに毎朝五時に起きて、七時には都心に着くようにしています。ジムへ行ったり、そのまま早朝出勤して始業時間まで勉強したりするのです。それでもけっこう通勤客は多いので(みなさん勤勉だなあ)、内心穏やかではありません。

電車が駅のホームについて、階段やエスカレーターに人が殺到するのを見ているだけで酔いそうになります。だからいつもホームの物陰に数分ほど潜んでいて、人の流れが途切れたところでゆっくり階段に向かうようにしています。でもこれ、よくよく周囲を観察してみると、そういうふうにしている人はけっこうあちこちにいます。みなさんたぶん、私と同じような「人圧」を感じてらっしゃるのだと思います。

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https://www.irasutoya.com/2013/07/blog-post_24.html

学生時代は演劇が大好きで、当時は「小劇場ブーム」だったこともあって、例えば下北沢の「ザ・スズナリ」みたいな小さな劇場には通い詰めたものでした。人気のある劇団の公演はいつもぎゅうぎゅう詰めの満席で、例えば第三舞台の公演など、当日券のお客さんを目一杯入れるために、開演前に劇団員の「せーの」という掛け声のもと、まずは横方向にぎっちりと詰め、さらに縦方向にも詰める(そこに空いた一列にまたお客さんを入れる)というようなことが行われていました。

そんな環境でも楽しく観劇できた自分が嘘みたいです。今の私だったら「人圧」でブラックホール化しているでしょうね。