インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

德の字はだめだって

住んでいる区から、特別区民税と都民税の納付通知書が届きました。納付方法の欄に「PayPay請求書払い」が使えると書いてあったので、ここから納付をすることにしました。私はPayPay銀行(旧・ジャパンネット銀行です。私は「ペイペイ」という音が中国語の“呸呸!”に聞こえて可笑しくてしかたがないのですが、まあそれはさておき)を利用しているので、PayPayマネーを使って納付ができるじゃんと。

それで、納付書のバーコードをPayPayアプリの「スキャン」から読み取ると、この画面が出ました。あれ? PayPay残高の利用可能額が「0円」になっています。残高はあるはずなのにと、多少訝しく思いながらも「チャージして支払う」に進んでみると、本人確認が必要とのこと。運転免許証と、登録カードの「番号1・番号2」があれば数分で登録可能とのことで、そちらに進みました。

ところが運転免許証をスキャンして読み込む際に「登録できない漢字が名前に使われている」とのことで弾かれました。私の名字にある「德」の字が引っかかったようです。日本語で通常使われる「徳島県の徳」の字は、旁の「十四」の下に横棒が一本入っています。これは「徳」の旧字ですが、うちはなぜかこちらの横棒が入ったほうの「德」が戸籍上の正式な文字なのです。

dictionary.sanseido-publ.co.jp

中国語でも「德」はこちらの横棒が一本入った文字です。中国大陸で使われている簡体字でさえ、同じ。かつて中国政府が《简化字总表》で簡体字を制定したときにも、この「德」は対象にならなかったんですね。

それはさておき、日本の漢字では一般的には横棒のない「徳」です。徳島県とか聖徳太子とか徳川家康とか。私もふだんの暮らしや仕事では面倒くさいので「徳」の字であれこれ登録しちゃってます。このブログのアカウントも同様。うちの両親なんかは「德」にこだわりがあって、手紙でこの文字が使われていないとちょっと憤慨したりしてますけど、私は別に、どっちでも、という漢字、もとい、感じです。

でも戸籍とか運転免許証とか、お役所関係はこの辺に細かく厳しいんですよね。でも、だったら、横棒が一本入っている「德」の字でもするっと登録できるようにしてほしいです。いままでにもけっこう色々な場面で同じような目に遭っていて、うんざりしているんです。昨今話題のマイナンバーカードなんかでも同じような面倒が繰り返されるのかしら。

というわけで、仕方がないので、別の方法(顔写真を撮ったり、瞬きをしてみせたり)で本人確認申請を送りました。ちなみにPayPay残高の利用可能額が「0円」だった理由もわかりました。PayPayマネーには「マネー」と「マネーライト」があって、ふだん我々が気軽にチャージして使っているのは「ライト」の方なんですね。ああ、ややこしい。で、「マネー」の方は銀行口座との間で出入金ができ、もちろんチャージもできて、それを今回のような納税にも使えるけど、それら諸々を使うためにはやっぱり本人確認が必要なんだそうです。

ということで、いま、数日かかるという本人確認の認証待ちです。こうやってスマホで納税できるようになったのは素晴らしいけど、なんかまだまだ面倒なことが多いんだなあ……と思いました。