インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

都営大江戸線の券売機が見つからない

先日立て続けに外国人観光客の「ダイソーへ行きたい」案件に遭遇したのでしたが、それで観察眼が磨かれたのか、こんどは「六本木に行きたい」案件に2日連続で遭遇しました。

私は退勤時に職場から甲州街道を歩いて新宿駅に向かい、西新宿一丁目の交差点で地下に降りて京王線を利用しています。ローカルすぎる説明で恐縮ですけど、ルミネ1のデパ地下、成城石井の横を通り抜けた奥に京王線の改札があるのです。

西新宿一丁目交差点から地下に降りると、ルミネ1の入口までコンコースの対角線上を突っ切る形になるのですが、そこはいつも大勢の人でごった返しています。京王モールとルミネが接していて、さらにJR新宿南口と小田急に向かうエスカレーターがあり、加えて京王線京王新線、都営新宿線大江戸線の改札があるからです。

新宿線 大江戸線 新宿駅 | 東京都交通局

その都営新宿線改札(京王新線口)横にある券売機で、明らかに困った様子でスマートフォンを検索している外国人観光客と思しきグループに2日連続で遭遇したというわけです。聞いてみると「六本木に行きたい」。最初はなぜ困っているのかわからなかったのですが、よく観察すると京王新線口にある券売機の表示は「都営新宿線」と「京王線」の二種類だけで、六本木に行くことができる「都営大江戸線」と表示された券売機がないのです。

実際には都営新宿線の改札から入って地下の奥深くに降りると、途中で通路が分岐していて都営大江戸線にも乗れるのですが、そんなことを知っているのは日々この駅を利用している方だけでしょう。そして都営大江戸線の小さな改札がそこからすぐ近くにあるものの、ごった返す人混みで見つけにくいみたい。私たちはつい「すぐそばに『Oedo Line』って書かれた改札があるじゃん」と思いますけど、初めて訪れた方にとってはすさまじい雑踏の中でこれを見つけるのがけっこう難しいんですね。

これは、京王新線口に「都営新宿線」とだけ書かれた券売機のみ設置されているのが原因だと思います。同じ都営線なんだから「都営新宿線」と「都営大江戸線」の両方が買えるようにしておけばいいのです。というか、どうせ距離によって料金が決まるんだから券売機をわざわざ「都営○○線」で分けなければいいのにと思いました。

おそらく京王線との権利関係とかなんとか、そういう「大人の事情」でこうなっているのだと推察します。都営新宿線京王線と相互乗り入れしているからオーケーだけど都営大江戸線はそうじゃないからダメ、とか。しかも都営大江戸線の改札にはいつも案内の職員がひとり立ってらして、外国人観光客にも対応しているんですけど、京王新線口にはそういう職員がいないんですよね。これもたぶん大人の事情によるのでしょう。

PASMOを買えばいいじゃん」と思う向きもあるでしょうけど、以前にこのブログにも書いたことがありますが、これがまたけっこう複雑なことになっているんです。総じてサインシステムなどを含めインバウンド対応はまだまだ道半ばだなと感じさせられる案件でした。

qianchong.hatenablog.com

追記

実は後日、またまた同じ場所で、それもこれまた2日連続で「お困り」の外国人観光客のグループに遭遇しました。こんどは「渋谷に行きたい」&「秋葉原に行きたい」。つまりそれぞれJR山手線と総武線に乗りたかったわけですね。それは目の前のこの大きなエスカレーターで地上に上って、真っすぐ行ったJR新宿駅南口に行く必要がありますとお伝えしました。

スマートフォンがあればどんな場所でも無敵だと私たちは思っていますが、先日の「ダイソーに行きたい」案件でもわかるように、東京都心のダンジョン的な複雑さは現時点ではスマホの利便性を凌駕しているみたい。ニューヨークから観光に来たという「秋葉原に行きたい」グループの青年二人とは「東京都心のターミナルって複雑ですよね」と少々話をしました。私が「東京に住んでる私たちでも時々混乱します」と言ったら笑っていました。

qianchong.hatenablog.com