インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

芸能通訳

  最近人気急上昇中(らしい)の、とある台湾アイドルへのインタビューと写真撮影、逐次通訳。
  昨日やっていた字幕の映像にちょうどこのアイドル君が出演していて、線の細い印象を勝手に抱いていたのだが、実際のご本人は身長190センチ近い巨漢だった。でも繊細な雰囲気はそのまま。繊細な巨漢、そんな感じ。
  写真撮影ではずいぶん陰のある、受け取りようによっては不機嫌そうな顔をしていたから、連日のハードなスケジュールで疲れてるんだろうなあと思った。が、インタビューになると破顔一笑、まんま台湾の気のいい兄ちゃんだ。インタビュアーもその点に驚いて質問するに、「写真撮影では、その場所に合わせて一番適切な表情を考える」と言っていた。確かに今日の撮影場所は都内某所の地下にあるライブハウスで、かなり退廃的でパンキッシュな空間だった。へええ、彼なりの“專業精神*1”ってやつですか。
  インタビューに答える内容も理路整然としていて、曖昧なことを一切言わない。それでいて主張に一種のユーモアというか、愛嬌がある。だからすごく通訳しやすかったし、通訳していて楽しかった。
  芸能通訳をするたびに感じるけれど、この彼に限らず、台湾や中国の若い芸能人はみんなえらく大人びたことを、堂々としゃべる*2。あとからよくよく吟味してみると、かなり背伸びした発言だったかも、と思えるようなこともあるが、少なくとも発言している時の姿勢というか風格、これは同世代の日本人に比べて格段にしっかりしている。メディアへの露出が多いから鍛えられているのか、それとも元々しっかりしているから芸能界で成功できたのか。

*1:プロ意識

*2:インタビューにもほとんど反応せず、すべて同席した女優(陳湘蒞)が代弁してた李康生という例外はあったが。ま、彼は一種の天才肌だから……(^^;)。