インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

通訳学校

先日東京に行って、通訳学校の入学試験を受けてきた。
帰国したら通い直すつもりなのだが、なんだかこの数年間でずいぶん「なんちゃって通訳」に染まってしまったかもしれず、かつて教えていただいた恩師にとてもじゃないが合わせる顔がない。というわけでこっそり別の学校を受けてみた(笑)。
とはいえ、実はどの学校に通うかはそれほど大きな問題ではない。というのも、通訳学校というのは週に一回、数時間の授業というところがほとんどで(北京語通訳の場合)、当然そこに通うだけで通訳者になれるというようなものではないからだ。
通訳者としての訓練の大半は自宅や現場での自主的な学習にかかっていて、学校はいわばペースメーカーみたいなものだとよく言われる。だから自分のやる気次第で訓練の効果があがったりあがらなかったりする。通訳学校に自分のレベルを高めてもらおうなどという甘い期待をしてはいけないのだ。
さらにこう言ってしまってはミもフタもないのだけれど、いろいろな職業同様に通訳者にもハッキリと向き不向きがあると私は思う。向いている人はなんだかんだ言いながらなんとか通訳者になってしまうものなのではないか。このあたりの通訳教育事情を、私の恩師がかつて「全員プールに放り込んで、なんとか浮かんできた人にもっとうまく泳げるよう手助けする感じ」といったような形容をされていた。通訳学校の営業的には禁句かもしれないけれど、とてもリアリスティックな認識だと思う。
ところで、入学試験のできばえはさんざんだった。筆記はなんとか全部埋め、面接もフリートークはまあ何とかなったが、サイトラでおおいに馬脚をあらわす(^^;)。で、試験官の先生は「まわりの実力が自分より少し上のクラスに入れば、もっと伸びると思うけど」とおっしゃるので、それは私も願ったりかなったりだと思って「ぜひお願いします」と答えたら、「でも、そのクラスはすでに在校生で定員いっぱい」なのだそうだ。う〜む。さて、どのクラスになるのかな。