インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

PH5について

自宅の食卓の上にある電灯はUFOみたいな形をしています。PH5という「ペンダント」です。

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けっこうお高いので、買った当初は「いくら人気の定番商品だからといって暴利じゃないかなあ」と思っていました。でも、天井から吊して、スイッチを入れた瞬間に納得してしまいました。とにかく光が、そしてその光に包まれたペンダントが美しいのです。

www.louispoulsen.com

デンマークのデザイナー、ポール・ヘニングセン氏が1958年に発表したもので、現在では様々なバリエーションの製品が売られていますが、オリジナルは白い塗装です。ただ、重層的に組み合わされたいくつかの「羽根」にはオレンジ色とスミレ色が施されていて、これに反射した光と、白熱灯の光が相まって、何とも言えない優しい光に見えるのです。

また下だけでなく、若干上にも光が反射されるので、部屋全体がほどよく間接照明に包まれたようになります。このペンダントひとつだけだとちょっと寂しいですが、他の室内照明を組み合わせると、とてもくつろげる雰囲気になります。

そういえば昔の日本の家って、部屋の真ん中に照明器具が、それも蛍光灯がひとつだけ、というのが多かったですよね。私は学生の頃からあれがイヤでイヤでたまらなくて、アパートの部屋に備え付けられていた蛍光灯(ドーナツ型の)を外して、裸電球をいくつかぶら下げていました。友人からは「暗黒舞踏の舞台装置か!」とつっこまれましたけど。

とても気に入っているPH5ですが、ひとつだけ不満があります。それは電球がペンダントの奥深くに設置されているため、100Wの電球ではかなり暗くなり、150Wの電球を使わなければならないことです。LED電球は150Wがないので白熱電球です。あんまり「エコ」じゃないですね。

また上記のオフィシャルサイトには、PH5を設置する際の注意事項としてこう書かれています。

卓上をしっかりと照らし、テーブルを囲むひとびとの顔を柔らかく美しく照らすためには、卓上60センチの位置に吊り下げてください。

卓上60センチというのは、やってみると分かりますけどかなり低い位置です。テーブルに着くと、ちょうど頭の高さくらい。ちょっと低すぎるので、私は80センチくらいの位置に吊っています。でも先般北欧を旅した際にあちこちで見かけたのですが、確かにあちらのペンダントは、かなり低い位置に吊られています。アルヴァ・アアルト自邸でも、こんな感じでした。

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このグランドピアノの前にあるペンダントの吊り位置もかなり低いですね。部屋の中に立つと、ペンダントは上から見下ろすような位置にあります。こうしてみると、北欧の人々のペンダントに対する考え方は、部屋全体を照らすものというより、食卓と、食卓を囲んだ家族を包み込むように照らすもの、なのかもしれません。そうやって暖かい光に包まれるのも、デンマーク人がいとおしむ「hygge」のひとつなのでしょう。

もっとも、高温多湿の日本の夏だと、白熱電球の熱がかなりツラいかもしれませんけど。