インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

無與倫比日本演唱會

  ……が来年二月に東京国際フォーラムで開かれるんだそうだ。
http://www.diskgarage.com/play/00052858.html
  台湾でチケットを買っておきながら仕事で行けなかったので、今回こそと思ったが、でも人が多いんだろうなあ、騒がしいんだろうなあ、ご本人は豆粒くらいにしか見えないんだろうなあと思い直して、すぐに盛り下がる。ま、ライブというのはそういうものなのだが。
  小学生の頃、なぜかクラシック音楽が好きだった。で、親にLPレコードを買ってもらったりして聴いていたのだが、あるとき学校の企画で実際のコンサートを聴きに行く機会があった。生まれて初めての「ライブ」だ。後日、その感想文を書かされたのだが、私は「レコードのほうがずっといい」とかなんとか書いたらしい。担任の先生が「えぇー? 本物のオーケストラのほうがずっと迫力があるでしょう?」などと怪訝な顔をしていたのを覚えている。
  なぜそんな感想を書いたのか今となってはよく思い出せないのだが、たぶんクラスメートがまわりで騒いでいたとか、初めてのコンサートで緊張していたとか、そんなこんなで心から楽しめなかったのだろう。自宅でゆったり聴いているほうがずっといいや、と。
  後年、洋楽にこりはじめる。初めて自分で買ったチケットはマンハッタン・トランスファーのライブだった。当時はまだ「チケットぴあ」なんてなかったから、発売初日、プレイガイドに早朝から並んで、けっこういい席を手に入れたと記憶している。
  でもライブはやはり不完全燃焼だった。ふだんから歌詞を覚えてしまうくらい聴き込んでいたあの曲この曲は、ライブになるとずいぶん雰囲気が違うものだなと思った。だからライブというのはそういうものなんだってば。どうも私にはライブを楽しむ回路が備わっていないらしい。原曲原理主義というか、フレキシビリティに欠けているというか……。
  サッカーの試合でも、スタジアムに出かけて観戦するよりはテレビの前でビール飲みながらのほうがずっと楽しい。こないだの東京国際女子マラソンだって、大きなお世話だが沿道に出かけて応援する人の気が知れない。Qちゃんが自分の前を通り過ぎるの、ほんの一瞬じゃないか。野球の試合はめったに見ないが、見るなら試合のダイジェスト番組でいいや。イニングの交代時間がまどろっこしいし。……と極端な私は、ライブはおろかスポーツを楽しむ回路もかなり焦げついているようだ。
  これが絵画や彫刻などだと、本物に対面してこそ心底感動するし、わざわざ出かけて行きもするのだが。