インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

台湾の高校生が歌う『旅立ちの日に』

昨日仕事からの帰りに、いつも使っている乗換駅の改札を出たら、袴姿やスーツ姿の学生さんと思しき若い方々が大勢いました。近くに規模の大きい大学があって、そこの卒業式だったようです。

私が勤めている学校でも先日卒業式が行われました。昨年と一昨年はコロナ禍ということで、例年行われてきた大ホールでの、卒業生と在校生と教職員、それに卒業生のご家族や来賓のお偉方が一堂に会する形式はとりやめとなり、教室を使って内輪のささやかな式にせざるを得ませんでした。

今年はまた大ホールでの卒業式に戻りましたが、私は内心「昨年と一昨年のような式のほうがよかったんじゃないか」と感じてしまいました。そのほうが、より学生さんを送り出す私たちの心がこもっているのではないかと思ったからです。

昨年と一昨年、内輪でささやかに行ったときは、教職員が教室を飾り付けたり(ちり紙でつくったお花とか、折り紙でつくった輪飾りとか)、はなむけに歌を歌ったり(森山直太朗氏の『さくら』を日本語英語中国語で)、チープではありましたけど、とても暖かい雰囲気でした。

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学校主催の式も厳かでそれなりに雰囲気がありますけど、なかば定型的な送辞やら答辞やらの応酬も、これまで一度も会ったことのない来賓の祝辞(これは今年は取りやめになりましたが)も、司会の号令で何度も何度も行われる「起立・礼・着席」も、多分初めてその存在を知ったであろう校歌の斉唱も……あの手作りの内輪の式にはかなわないなと。

留学生のみなさんも、なんで日本人はこんなに立ったり座ったりお辞儀したりを繰り返すんだろうと思ったんじゃないかしら。まあでも、これも「日本文化」のひとつとして、それなりに体験する意味はあるのかもしれないですけど。

ところで、卒業式で歌う曲といえば、上述の『さくら』もそうですけど、私の周囲では『旅立ちの日に』だったという方が多いです。私もこの曲は知っていますが、卒業式で歌った記憶はありません。調べてみたら当たり前で、この曲が作られたのは1991年なんだそうです。私はとっくに大学を卒業しちゃってます。

ja.wikipedia.org

それなのに私も、この曲を聞くとなぜか「ぐっ」と来るものがあるのが不思議です。コロナ禍以降もあの手作り感満載の卒業式をつづけて、今度はこれを歌ってさしあげたいです。ちゃんと混声三部で練習して。

……と、YouTubeでこんな動画を見つけました。台北市立成功高中(高校)を中心とした高校生のみなさんが日本語で歌う『旅立ちの日に』。これはまたまた「ぐぐぐっ」と泣きそうになります。


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