インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ひとさまの通訳を聞いて

これまで、自分が通訳している音声や映像がネットにアップロードされたことが何度かありました。それはラジオ番組だったり,YouTubeだったりするのですが、業務終了後も半ば永遠にこうやって訳出が晒されるのって、ちょっと理不尽でもありますよね。

それはさておき、こうした音声や映像をあとから視聴し直すのは、本当に身が縮む思いです。ですから私、同じようにネットに上がっているひとさまの通訳の善し悪しを云々するのは、できるだけやるまいと思っています。通訳学校の授業でのレビューは別ですが、私はひとさまの訳出を云々できるほどのベテランでもないですし、もとより通訳や翻訳には「これが正解!」というものはなく、ただ「より良い訳」があるだけなのでしょうから。

米原万里氏の名著『不実な美女か貞淑な醜女か』に、師匠の徳永晴美氏から言われたというこんな言葉が紹介されています。

他人の通訳を聞いて、『コイツ、なんて下手なんだ』と思ったら、きっとその通訳者のレベルは、君と同じくらいだろう。『ああ、この程度の通訳なら、私だって出来る』という感触を持ったなら、その人は、君より遙かに上手いはずだからね。

そうそう、ホントにそういうものなんですよね。そういうものなんですけど、先日通訳教材を作っているときにたまたま聞いた、北海道日本ハムファイターズの台湾人選手「大王」こと王柏融氏へのヒーローインタビューは、ちょっとひどいんじゃないかと思いました。

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▲4:57あたりから。

私はプロ野球の知識がほとんどない素人ですが(だからあえてこの教材を作ろうと思ったのです)、ヒーローインタビューってこんなに「てへぺろ」なテキトーな感じでいいものなの? 王柏融氏の入団会見における通訳者さんお二人はとても丁寧な訳出で勉強になりましたが、このヒーローインタビューは……台湾と日本のファンは怒ってもいいんじゃないかなあ。そして球団側も、もう少し通訳することや通訳者の重要性について意識を高く持っていただけたらと願います。

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▲この2本も、聞いているこちらが冷や汗をかきます。

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https://www.irasutoya.com/2015/11/blog-post_995.html