インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ブルックス ブラザーズ展

新宿は甲州街道沿いにある文化学園服飾博物館で開催中の「ブルックス ブラザーズ展」を見てきました。こぢんまりした博物館の展示ですが、なかなか見応えがありました。

www.brooksbrothers.co.jp

ブルックス ブラザーズといえば、アメリカン・トラッド、アイビー・ファッションの代表的ブランド。今年が創業200年ということで、この展覧会が企画され、フィレンツェのヴェッキオ宮殿とニューヨークのグランド・セントラル駅に続いて、日本ではこの博物館でのみ展示されるそうです。

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もうずいぶん前のことですが、会社でサラリーマンをしていた頃、このブランドの大ファンでした。スーツもネクタイもシャツも、ぜーんぶブルックス ブラザーズで。

アメリカン・トラッドに魅せられたのは中学生だったか高校生だったかの頃でした。当時『All Right !』という雑誌(10号ぐらいで廃刊になっちゃいました)があって、この雑誌はかなりアメトラやアイビーに傾斜した紙面作りでした。この雑誌を通してとにかくそういう服に憧れ、一度青山にあるブルックス ブラザーズの本店に行ったことがあります。か・な・り緊張して入った私は、お店の方からしても相当場違いな客だったと思います。もとより中高生にはとてもお高くて買えませんでした。

それでも店員さんは私に小冊子状のパンフレット(そのシーズンのスタイルブックですね)をくれました。それに感激して、いつか絶対にここでスーツを買おう! などと思ったものです。実際に買ったのはそれから20年くらい経ってからでしたけど。こういう、一見さんのお子ちゃまでもバカにしないで客として扱ってくれた店員さんはすごいと思います。見事それにハマって、私みたいな後年のファンが一人増えたわけですから。ニューヨークに行ったときは、わざわざ五番街近くの本店まで「詣でて」きたほどです。

カッチリとした、ある意味無骨ともいえるブルックス ブラザーズ的なアメリカン・トラッド。その雰囲気は今でも好きですけど、実はもうこのブランドの服は一つも持っていません。私みたいに貧弱な体型にはあまり似合わないことに気づいたからです。

ブルックス ブラザーズの服は、もちろん日本で販売されているものは多少日本人の体型にも合わせてあるとは思いますけど、全体的に大柄なんですよね。例えばシャツの袖口には、このブランドならではの細かなタックがた~くさん入っていて、知っている方からは「おっ、ブルックスですね」などと言われてご満悦……みたいなアイテムなんですけど、これだけタックが入っているということは、やっぱり筋骨隆々とした大柄な体型を考えて作られているのでしょう。

背中周りも「スリムフィット」ではなくかなり「ゆったりめ」に作られているので、胸板が厚い方が着るならともかく、私などが着るとかなり「だぶだぶ」な感じになります。以前は全く気にしていなかったんですけど、歳を取って「洋服はシンプルでサイズ感ぴったりなものが一番いい」という考えに移ってきて、自然にブルックス ブラザーズの服は着なくなりました。

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展示会場には、歴代の米国大統領45人のうち、ジェームズ・マディソンからドナルド・トランプに至るまで40名がブルックス ブラザーズの愛用者だというパネルがありました。なるほど、大柄なアメリカ人の、それも威風堂々たる大統領にふさわしい……そういったテイストのブランドなんですね。

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それでも、200年の間にさまざまな歴史の一場面で登場してきた(ヤルタ会談ルーズベルトが着たコートもブルックス ブラザーズだったそう)このブランドの服の歴史を追うのはなかなか楽しかったです。入場料も500円とお安め(学生さんは300円!)ですので、トラッドやアイビー好きの方にはぜひおすすめ(11月7日は無料だそう)。受付で、この展覧会場のみの販売だというモレスキンの手帳が売られていて、表紙に型押しされた「羊のマーク(ゴールデン フリース)」に惹かれたんですけど、3600円(税込み)とこちらはお高めなのであきらめました。
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http://www.brooksbrothers.co.jp/about/brandstory/story05.html