インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

學友光年世界巡回演唱会

  “歌神”こと張學友(ジャッキー・チュン)のコンサート。以前の同僚がチケットを手配してくれて、真ん中の前から十列目あたりというステージにすごく近い位置で見ることができた。ステージにこれほど近い席は初めてだ。

  さすがは張學友、観客の年齢層が幅広い。しかもざっと見渡したところ、チャイニーズの比率がものすごく高い。場内、ほとんど中国語しか飛び交ってないんじゃないのという勢いだ。
  神の歌声はやはりすばらしかった。ちょっと変な言い方だけど、いい意味で「ライブ感」が少ない。つまり激しいダンスやパフォーマンスにもかかわらず、歌声がアルバムに近い完成度なのだ。
  新しい曲の数々もすばらしかったけれど、自分にとってはもはや「懐メロ」の《吻別》や《祝福》や《每天愛你多一些》などもしみじみよかった。妻に作った《講你知》や娘に作った《搖搖》あたりではちょっと涙がにじんでしまった。
  ミニミュージカル仕立ての《雪狼湖》(だったっけ)も見応え、聞き応えがあったし、そのあとラストの曲になって、アンコールで、もうおしまいかと思った後から、ふたたびじっくり聴かせる歌の数々。いや、本当に心の底から堪能した。MCも長い長い日本語のセリフを丸暗記してきたようで、張學友の誠実さがにじみ出る。
  ただ一つ残念だったのは、一部の観客に見られたマナーの悪さ。私の周囲だけでも携帯電話で話す女性(圏外のはずなのになぜ?)、カメラや携帯のカメラでフラッシュをたいて舞台を撮影する男性がそこここに(最初はいなかったが、ラスト近くで急増した)。一部(舞台に向かって右側)では席を離れて通路に殺到する人が続出。
  楽しいコンサートだから無粋なことは言いたくないが、それらの行為で明らかに迷惑する人が大勢いるのだ。右側袖の客席に座った人は、かなり舞台が見づらかったと思う。君たちにあらためてこの言葉を進呈しよう。“己所不欲,勿施於人”。