インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

余談。

私が最初に通った北京語学校は、大陸と非常に深い関わりのある老舗的なところで、「日中友好」をスローガンに掲げている。授業では《義勇軍行進曲》、つまり中華人民共和国の国歌も教わるという、過激というかいまどき珍しいというか、なかなかおもしろい学校なのだ。
お隣には留学生寮(大陸からの国費留学生が住んでいる)や文化交流のための施設や主に大陸からのビジネスマンが利用するホテルなどもあり、敷地全体が日中交流センターのようになっている。そのためか両国の関係が政治的にぎくしゃくするたび、「右寄りの方々」が街宣車を連ねてやってくる。留学生の中には血気にはやって飛び出して行きかねない若い人もいるので、我々日本人学生は「挑発に乗らないようにね」とよくなだめていたものだ。
ある時「おぉっ」と思ったのが、軍歌に乗って飛びこんできたこんなフレーズ。

ちょんこれん、ふいちー、ふいちー!

ん? ああ、“中國人,回去,回去!(中国人、帰れ、帰れ!)”か。シュプレヒコールを北京語でやろうと考えるのがエライ(笑)。いまだに「粉砕」とか「阻止」なんつってる「左寄りの方々」よりは、よほど「いかに相手に伝えるか」というプロパガンダの要諦をおさえているではないか。
ただ、惜しいことに発音と声調がめちゃくちゃだ。正確な発音ならもっと「主張」がよく伝わるのに。何ならうちの学校で学んでみてはどうですか、と思わずパンフレットを献上しに出ていくところだった。