インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

プロ精神

  試合のほうは、連日大差で負け続けている。このスポーツは欧米に比べるとアジアの実力が今ひとつで、そのなかでも大陸のチームはまだまだ発展途上だ。会社のクラブチームなどとして割合潤沢な資金で選手を育成したり装備をととのえたりできる日本のチームとはちがって、プロとはいえ一地方都市の職員という身分でアジアリーグに参加している。日本のチームと比べると練習方法やチームマネジメントのノウハウもまだまだ蓄積されていないことが、シロウト目にもよくわかる。強化策として外国人コーチや外国人選手を数名入れてはいるのだが、彼らとのコミュニケーションもまだあまり理想的とはいえないようだ。
  それでも国内ではトップレベルのチームである彼らのこと、さぞかし屈辱感でいっぱいだろうなと心配してしまうのだが、これが意外にさばさばしている。というか、もう少し悔しさを表に出してもいいんじゃないの? というリラックスぶりだ。きょうもこれから今回の日本遠征で最後となる試合があるのだが、「もういいや」とばかりに予定していた練習をキャンセルしてしまった。みんなで家電量販店にデジカメなど買いに行ったりして……(^^;)。近くの公園でランニングしたり身体をほぐしたりということもほとんどしないし、試合用具の手入れのための道具も一切持ってきていないというアバウトぶりだ。装備に不具合があるたびに「ねえ通訳さん、相手チームから○○を借りてくれないかな」と持ちかけられるのだが、んな、今から試合をしようという相手に塩を送るようなこと、「国際交流・国際親善」がメインテーマの試合じゃないんだから無理だと思うがなあ。
  ううむ、まあこれも経済的な理由で一部は説明がつくかもしれないが、その、なんというか、“職業精神(プロ精神)”にやや欠けるような気がする。それでも自分のアテンドしているチームだもの、試合中は心から応援しているけどね。