インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

前例を覆した結果

昨日の東京新聞、師岡カリーマ氏による「本音のコラム」では女性皇族の儀式不在を取り上げていました。儀式に女性皇族を出席させないという「伝統」に疑問を呈し、前例がないという向きに対しては「儀式における洋装も、かつて『前例を覆した』結果」ではないかと。その通りだと思います。

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だいたい現在の天皇のあり方そのものが「かつて前例を覆した」結果ですし、天皇が東京に住んでいることも、洋食での晩餐会も、儀式の時に身につけていた洋装だって勲章だってそうです。私は約三十年前の代替わりの際、衣冠束帯姿で笏を持った天皇が洋風の馬車に乗って移動しているのを見て、腰を抜かさんばかりに驚きました。

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【写真で見る】天皇陛下、在位28年 様々な表情 - BBCニュース
儀装馬車の概要 - 宮内庁

本来ならこんな洋風の馬車や自動車じゃなくて牛車とか使うべきでしょ……って言う保守派がいないの、本当に不思議です。私は、天皇を始め皇族方はみなさん京都にお戻りになって、京都御所に住まわれるべきで、東京の御用地はすべて公園にして市民に開放すべきだと思っているんですが、そういうことを言う保守派や「伝統を守れ」派も寡聞にして知りません。

もちろん伝統というものは、なにも全てを墨守して一切変えないということではありません。それは常に「現在」と呼応してそのあり方が変容し続けていくものでしょう。それは伝統芸能のお稽古をしていても強く感じます。洋装も馬車も、現代に合わせた現実的な選択のはず。だったら女性についてもその筋で考えるべきです。今の皇室のあり方は、伝統を守っている部分と守っていない部分の筋が全く通っていないと思います。