インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

Bar Veroce

タイムズスクエアペン・ステーションの真ん前にある、名前もまんま“Pennsylvania”というホテルに泊まる。千室以上はありそうな巨大な古いホテル。もう日が暮れていたが、街に出かける。タイムズスクエアなどは別にしても、意外に街灯が暗めだなと思った。肌を刺す冬の冷気、道ばたに積まれた雪(先週降ったらしい)、コンクリートタイルの歩道、煉瓦の外壁、マンホールから立ち上るスチーム……、ひどく懐かしい感じがするなと思ったら、そうだ、この雰囲気は北京にそっくりだ。
オフ・ブロードウェイの小劇場で何か芝居をやってないかなと行ってみるが、日曜はマチネだけというところが多く、どこも閉まっている。しかたがないからインターネットで目星をつけていたバーにもいくつか足を運ぶがこれもみんな明かりが消えている。日曜日はみなさん、きちんと休むものらしい。
かなり歩き回り、地下鉄を乗り継いで、最後にイーストビレッジの“Veroce”というワインバーに行く*1。グラスでいろいろ飲めて便利なのだけれど、お店の方針らしくイタリアのワインしかない。あと、ひとりで注文できるめようなおつまみの数が少なかった。まあこういうところは何かを食べにくる場所じゃないんだろうな。誰かと二人でこないとねえ。
ずいぶんほろ酔いで、しかしお腹がすいて仕方がないので、ホテルに歩いて帰る途中にあった韓国街の“Gam Mee Ok”というお店に行く。“Sul Long Tang”というオックステールスープに麺とご飯を入れたようなのを食べる。あっさりしていておいしかった。サービスでついてくるキムチ(壺から出してはさみで切って盛りつけてくれる)が多くて食べきれない。
支払いの時におつりを全部受け取って帰ろうとしたら、店員さんが怪訝な顔をするのであっと気がつく。チップを忘れていた。

*1:ニューヨークに全く土地勘がなく、時間的にも言葉的にもあまりあれこれと探し回る余裕のなかった私は、今回食事は全面的にさとなおさんのところに紹介されているリストに頼った。結果的にはどれも「あたり」で大満足。感謝感謝です。