インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

ジャニーズを「消費」してきた私たちも問われている

BBCが先日放送した、ジャニーズ事務所の創業者ジャニー喜多川氏のドキュメンタリーが話題になっています。《Predator: The Secret Scandal of J-Pop(捕食者:Jポップの秘密のスキャンダル)》と題されたこの番組、“Explores the suffocating reality of being a J-pop idol, the influence that Johnny Kitagawa had on the media and exposes the brutal consequences of turning a blind eye.(Jポップのアイドルであることの息苦しい現実、ジャニー喜多川氏がメディアに与えた影響、そして見て見ぬふりをすることの残酷な結末を暴く)”と説明がつけられています。

www.bbc.co.uk


www.youtube.com

YouTubeに上がっているこの3分あまりのダイジェスト映像を見るだけでも、問題の根深さが伝わってきて暗澹たる気持ちになり、同時になんともいたたまれない気持ち、もっと言えば恥のような感覚を味わいました。お金を稼がせてもらっている以上何も言えないということで「公然の秘密」として追求してこなかったメディアの責任はもちろんだけれども、受け手として彼らを「享受」し「消費」してきた我々の意識の欠如も指摘されているのだと思って。

今日発売の『週刊文春』でもこのドキュメンタリーについて報じていて、「文春オンライン」でもその一部が読めます。

bunshun.jp

そのなかでBBCの記者であるモビーン・アザー氏はこう語っています。

事実とわかったにもかかわらず、社会的に問題にされなかったことに衝撃を受けました。彼はジャニーズ事務所を運営することを許され、何十年もの間、国の宝として崇められてきた。掘り下げれば下げるほど、よくわからない話でした。

猛烈な恥ずかしさを感じます。現在は上掲のBBCサイトでこのドキュメンタリーを視聴しようとすると、“BBC iPlayer only works in the UK. Sorry, it’s due to rights issues. ”と表示されますが、3月下旬にはBBCワールドニュースで日本でも放送されるそうです。ぜひ見たいと思います。


https://www.bbc.co.uk/programmes/m001jw7y