インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

マッチ棒を借りに

フィンランド語の教科書は二冊目の終盤に差し掛かり、ほとんどの文法事項が出そろってきました(たぶん)。中国語で言うと、文法の大きな山である補語とアスペクトを学び終わった段階という感じでしょうか。この教科書を学び終えたあとどんな教材に移るのかはまだ分かりませんが、先生からは「ここいらで一冊目の教科書をよく復習してください」という指示が出ています。

フィンランド語は英語や中国語などと違い、語順で話す(語順が死活的に重要な)言語ではありません。その代わり語形変化が「悪魔」とも称されるほど複雑です。日本語の活用にも似ていますし、語順がクリティカルでないところも似ていますが、フィンランド語の場合は固有名詞、例えば人名や地名さえ文脈によって語形変化します。

なので文例を丸暗記するという「戦略」があまり奏功しません。表現したいことに合わせてそれぞれの単語の語形を一瞬で変化させられるーーネイティブスピーカーにとっては苦もなくできるものの、非ネイティブにとっては複雑怪奇でしかないーー感覚を身につけるしかありません。というわけで先生は、一冊目の(いまとなっては)簡単な文章を使って、一つ一つの単語がどういう理由でその語形に変化しているのか、もう一度確かめてみましょうとおっしゃっているわけです。

で、毎日隙間時間を見つけて少しずつ取り組んでいます。復習していると「ああ、こんな話があったなあ」とか「最初はさっぱり分からなかったけれど、いま読むとすごく腑に落ちるなあ」という文章がたくさんあって、なかなか楽しいです。

この教科書には、こんな会話があります。

Voitko avata television. Sieltä tulee kohta vanha suomalainen elokuva.
Mikä elokuva?
Tulitikkuja lainaamassa.
テレビをつけてくれない? もうすぐ古いフィンランド映画が始まるんだ。
何の映画?
『マッチ棒を借りに』。

以前学んだときは「そんな題名の映画があるんだ〜」くらいにしか思いませんでしたが、続いてこんな文章があります。

Minä olen kyllästynyt vanhoihin suomalaisiin elokuviin. Niitä tulee televisiosta aivan liian paljon. Mutta tämän minä oikeastaan haluan katsoa uudelleen. Olen nähnyt sen ainakin kolme kertaa, pidän siitä edelleenkin.
古いフィンランド映画には飽き飽きなんだよね。たくさんテレビで放映されてるし。でもこの映画はもう一度見たいんだ。これまでに少なくとも3回は見たかな。いまでも好きなんだ。

へええ、そんなに面白い映画なんですか。それで、いまさらながらネットで検索してみたら、YouTubeにありました(いいのか?)。


www.youtube.com

週末にでもゆっくり見てみたいと思います。字幕がないので、私にはまだほとんど聴き取れないと思いますけど。

fi.wikipedia.org

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