インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

豪華だけれど薄っぺらい

先日所用で東京は青山のお洒落な界隈を歩いておりましたら、なにやらこれまたお洒落なカフェテリアに遭遇しました。アジア的な麺料理(スープのない焼きそば系)と様々なデリカテッセン(お惣菜)を選んでワンプレートにしてくれるというのがコンセプトらしい。ちょうどお昼時だったので、興味を惹かれて入ってみました。

麺は色々なタイプがあって、好きなものを好きな味で注文することができます。押し豆腐を細切りにしたような、中国語業界の方にはおなじみの“乾豆腐絲(豆腐干絲)”まで選べるんですよ。デリもアジアンテイストたっぷりのものから洋風のものまで多種多彩で「わあ〜っ」と心が弾みます。トッピングなんかもいろいろ選べたりして、ちょっとお高いけれど、まあここは青山ですからと出来上がったプレートを手に席につきました。

この日はアボガドに皮蛋豆腐を合わせたものとか、オレンジ風味の鶏唐揚みたいなのを選びました。トッピングに香菜が魅力的です。おいしそうでしょう。

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ところが。

う〜ん、私には向かなかったようです。ひとつひとつの食材は(たぶん)とてもこだわっていいものを使っているのだと思いますが、料理全体としてはまとまっておらず、それぞれが主張しあっていて、とてもちぐはぐな印象なのです。いい食材を集めてはいるけれど料理にはなっていないというか、何か料理としての「おおもと」にあるものが欠けているというか。うまく言語化できないのですが「豪華だけれど薄っぺらい」という感じ(ごめんなさい)。

以前にも書いたことがありますが、アイデアは満載で「凝り凝り」なんだけど、ちっともおいしくないラーメンってあるじゃないですか。確かな基礎技術が培われないうちに、小手先の表面的な技術でウケを狙っても、受け手には薄っぺらい印象しか伝わらない――これはたぶん、どんな分野にも通じる道理じゃないかと思います。おっと、エラソーなこと書いちゃった。以て自戒といたします。

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