インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

ホテル・ルワンダ

  一九九四年にルワンダで起こった大量虐殺をテーマにした映画。日本での公開が見送られていた作品だが、『ホテル・ルワンダ』日本公開を応援する会(http://rwanda.hp.infoseek.co.jp/index.html)の署名活動などにより公開が決定したという。
【ネタバレがあります】

  多数派のフツ族が少数派のツチ族を無差別に虐殺したのだが、この二つの民族は同じ言語を話し、外見も本人たちでさえ見分けがつかないほどそっくりで、単に元々遊牧を主としていたか(フツ族)農耕を主としていたか(ツチ族)といった違いしかなかったのだそうだ。
  ところがドイツやベルギーによる植民地支配と、その後の独立を巡る経緯が両者の間に深刻な対立をもたらす。どこかで聞いたような話、というよりどこでも同じような図式が繰り返されているのだな。
  この映画は高級ホテルの支配人だったポール・ルセサバギナ氏の実話を元に作られた、ドキュメント・ドラマだ。彼はフツ族でありながら、虐殺の危機にある多数のツチ族をホテルに避難させ、多くの人命を救う。「裏切り者」として自らの命も危険にさらしながら……。
  二時間ほどの上映時間中、身じろぎもしないで映画を見た。見ながら、月並みだけれど昨今のイラク戦争や宗教紛争やテロのことを考えた。そしてこれも月並みだけれど「非寛容」ということについて考えた。けれどどこか自分でも絵空事というか、深刻ぶっている自分が透けて見えて居心地が悪い。そんなこんなで映画を見ながら煩悶(?)していたら、外国人記者の役で出てくる俳優が「アメリカもヨーロッパも国連も『虐殺? そりゃ酷いね』、それで終わりさ」というようなセリフを言っていて(正確なセリフは覚えていない)、ひどくうろたえる。★★★★☆。