インタプリタかなくぎ流

“Might come in handy one day.”

しっかりしてる。

  身体の不調がどうにも止まらない。これではっきり熱が出るとか腹痛がするとかの症状が出れば医者に行く決心もつくのだが、単に気分がすぐれないだけだから始末が悪い。「カコナール内服液」を飲んでごまかしている。
  以前に自分が通訳したアイドルへのインタビューをテープ起こしする。自分のデリバリーを精査するようでなんとも気恥ずかしい。幸い訳抜けはほとんどなかったが、いやもう、ほんとに私はだらしないしゃべり方をしているなあ。日本語には「〜はですね、〜なんですね」といった、語尾に「ね」をつける言い方が多すぎる。北京語のほうは“那個”と“就是説”が多い。
  それにしてもこのアイドル君に限らず、チャイニーズの若手芸能人はみなさん「愛」とか「真実」とか「生き方」といった内容について、臆することなく堂々と正面から自分の意見を語る。予定されていない質問にもてきぱき答えて、そつがない。自信にあふれていて弁が立つというか、とてもしっかりしているのだ。
  でもこんな事を言ってはなんだが、そのご本人が出ているドラマはと言えば、見ているこちらが気恥ずかしくなるほどのベタベタなアイドルドラマだったりする。演技のレベルもまあ、お世辞にも洗練されているとは言い難い。なのに理屈を語らせるとそこそこに一人前なのである。まあ私ごときに言われたかないかもしれないが。
  大陸に留学している時も、現地の大学生の弁舌には舌を巻いた。交流会などに出席するとみんな語る語る、男女の別を問わず、誰も彼もが我先にと他人を押しのけつつ語って語って語り倒す。だからチャイニーズはこう、日本人はこう、という一般化は危険だけれど、こういう若者の自信たっぷりな態度はどこから来るんだろう。大陸の大学生も、台湾のアイドルも、かなりの競争を勝ち抜いてきたわけだからもともと頭の回転が速い、頭が切れる……というありきたりな結論になるのかな。