インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

アテンド

  札幌の新千歳空港から六時間もバスに揺られて、釧路にやってきた。大陸のスポーツチームのアテンドだ。先回「いらない」って言われた(涙)あのチームとは別で、今回はなかなかフレンドリーな人たち。北海道の大地はいま紅葉のまっただなかで、非常に美しい。広々とした畑や牧場は、以前見たことのある大陸は東北地方の風景によく似ている。
  夕飯を食べてホテルに戻ってみると、フロントでこのチームのヘッドコーチとホテルのフロントがなにやらもめている。このヘッドコーチはスウェーデン人で、どうやらパソコンのプラグが日本のコンセントに合わないというのと、インターネットが使いたいというのでフロントにかけあっていたらしい。かけあうのはいいのだが、どうにも態度が横柄だ。身体全体から「アジアなんか見下してるぜ俺は」的オーラが発散されている。英語しかしゃべらないし、ホテルのフロントは英語が苦手なようで何だか恐縮しまくっているし。
  だいたい日本に来るんだからプラグの形状ぐらい調べてこいっちゅーの。インターネットが使いたいなら最初から旅行社の添乗員に言っておけっちゅーの(私だって事前にこのホテルの情報を調べて、インターネットが使える部屋を押さえた)。それに世界中どこでも英語が十全に通じるなどと考えるんじゃないっちゅーの。
  結局私が超つたない英語で何とか説明し、プラグは明日街に行って入手することに、インターネットは明日別の部屋に移ることで落ち着いた。まあこの御仁ともあと数日間のおつきあい。肌の合わない相手の振る舞いにも、今回限りだからと自分を納得させることができる、こういうところが「フリーランスになってよかった」と思えることのひとつだ。