インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

都会の暮らしが気に入っているというか今のところ都会にしか住めない

新刊が出るたびに買って楽しんでいる、よしながふみ氏のマンガ『きのう何食べた?』。最新第21巻が出ているのに気づかず、先日書店で偶然発見して買い求めました。街のうわさによると、連載されている雑誌ではすでに小日向氏とジルベールの結婚式が行われているようですが、この単行本第21巻ではまだそこまでお話が進んでいません。今年の10月に出る次巻までお預けです。


きのう何食べた?(21)

今回も楽しんで読みましたが、冒頭でテツさんとヨシ君がリタイアして軽井沢に移住しカントリーライフを始めるという話にケンジが羨ましがっていると、シロさんが現実的なことを言って「夢を壊す」くだりが出てきて、私はシロさんのリアリズムに妙に共感を覚えました。



いえ、私だって大都会の人が多くて常に騒がしいストレスフルな環境を抜け出して、田舎暮らしを楽しんでみたいという欲求はあるのです。というかもう何十年も前、大学を卒業してすぐその夢をかなえるために九州の田舎に移住しています。でもって、理想と現実のあまりの落差に打ちひしがれてまた東京に舞い戻って来たのでした。

もちろん都会は物価も高いですが、田舎に行けば行ったで、自動車がなければほとんど暮らしは成り立ちません。当然その維持費が必要です。また広い土地に建つ一軒家というものは、その維持管理にもけっこう手間暇とお金がかかるもの。結局、田舎に移住した当時の二十歳代の私にとっては逆にものすごく贅沢な暮らしを希求していたのかもしれないと今にして思います。

結局、インフラの整った都会で、持ち家やマイカーなどの贅沢は選ばず、小さな集合住宅に住まうというのが一番リーズナブルな暮らし方ということになるのかもしれません。それに私のような職業の場合、いくらリモートワークが普及しつつあると言っても現実的には東京にいないとそれなりに稼ぐことは難しいです。これからはどうだかわかりませんが、少なくとも私個人にとっては、東京で慎ましく暮らしていくことが一番現実的に成り立ちやすい、というか身の丈に合った暮らしの形なのかなと思います。

あああ、なんだか夢のないお話になってしまいました。せっかくきのうで毎日書いてきたブログが連続2000日になったので、もうちょっと景気のいい話を書こうとしていたのですが……。