インタプリタかなくぎ流

いつか役に立つことがあるかもしれません。

もう15年ですか

昨日Twitterで、タイムラインにこんなツイートがありました。

「井上事務所」というのは作家の故・井上ひさし氏の事務所ですよね。……と、こちらのアカウントを見てみたら「井上ひさし米原万里著作権 及び公式サイトを管理している事務所です」とのプロフィールがありました。そうか、米原万里氏の妹さんが井上ひさし氏のお連れ合いですもんね。

それにしても、もう15年ですか……。時が経つのははやいなあ。米原氏が亡くなられてまだ5年くらいの感覚でいましたけど、そんなに経ったんですね。晩年、闘病記のようなものを週刊誌に連載されていて、それを読みながらとても心配していた日々を思い出しましたけど、あれから15年ですか。

qianchong.hatenablog.com

私は米原氏の『不実な美女か貞淑な醜女か』を読んで通訳者に憧れ、実際に通訳者になっちゃった人間ですから、氏からは本当に大きな影響を受けました。結局、氏のような立派な通訳者にはなれませんでしたけど、いまでもこの本は折に触れて読み返し、そのたびに大爆笑し、そして深く考えさせられています。

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私はこの本が好きすぎて、これまでに少なくとも20冊は文庫版を購入して、人に配りまくっています。学校の授業でも最初に「必読図書」として推薦し、この春から始めた「100人の本屋さん」の棚である「Senshodo Kirjakauppa」でも常に何冊か推薦文つきのしおりを挟んで売っています。自分で新刊を買って、割引して売るから儲けはもちろんないんですけど、この「神本」を世に広めたい&絶版にしたくないのです。これまでに三冊くらい売れました。

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それにしても、15年ですか……。私も歳を取るわけですよ。そしてこれから15年先を考えたら、もう私は生きてないかもしれません。言霊ってこともあるから、そういうことを言うのはよしなさい、と周りからたしなめられるのですが、いや、現実的にそうなってもおかしくない。それくらいの時間がこんなにあっという間に経ってしまうんですね。

ますます、日々を大切に生きよう、とっとと「やりたいこと」をやろう……と思いました。